surah.translation .

アリフ・ラーム・ラー¹。それは、完全無欠な²啓典の御徴(アーヤ*)である。
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1 これらの文字については、頻出名・用語解説の「クルアーン*の冒頭に現れる文字群*」を参照。 2 アッラー*はクルアーン*を、消失、欠損、変化、嘘、矛盾といったことから「完全無欠な」ものとされた。その他、「英知にあふれた」「裁決する」「(様々な教えが、その中に)定められた」といった解釈もある(アッ=ラーズィー6:184-185参照)。
一体、人々には驚きだったというのか?われら*が彼らの内のある男に、「人々に、(アッラー*の懲罰を)警告せよ。そして信仰する者たちには吉報を伝えよ、彼らには自分たちの主*の御許で、真の高み¹があるということを」と啓示したことが?不信仰者*らは言った。「本当にこれはまさしく、紛れもない魔術師である」。
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1 「真の高み」とは、(来世のために現世で)前もって行っていた善行ゆえの、善き褒美のこと(ムヤッサル208頁参照)。
あなた方の主*は、諸天と大地を六日間で創造され¹、それから御座²にお上がりになったアッラーである。かれは、万事を司られる。かれのお許しの後でなくしては(復活の日*)、いかなる執り成し手もいない。そのお方がアッラー*、あなたの主*。ゆえに、かれを崇拝*せよ。一体、あなた方は教訓を得ないのか?
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1 「六日間での天地創造」については、詳細にされた9-12とその訳注も参照。 2 「御座にお上がりになる」については、高壁章54の訳注を参照。
かれの御許にこそ(復活の日*)、あなた方全員の帰り所はある。アッラー*の真なるお約束(を、お約束になった)。本当にかれは創造を始められ、それから(死後に)それをお戻しになるのだ。(それは)かれが、信仰して正しい行い*を行った者たちに、公正にお報いになるため。そして不信仰だった者*たちには、彼らが不信仰に陥っていたことゆえに、煮えたぎる湯の飲み物と痛烈な懲罰があるのだ。
かれは太陽を(燦然たる)光、月を明かりとされ、あなた方が年数と計算¹を知るべく、それ²に諸々の宿り場を定められたお方。アッラー*がそれを創造されたのは、真実ゆえに外ならない³。かれは知識ある民に、御徴⁴を明らかにされるのだ。
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1 この「計算」は月日の数や、時間の計算のことであると言われている(アル=バガウィー2:411参照)。 2 この「それ」は太陽と月、両方を指しているとも、月だけを指しているのだともいわれる(アル=クルトゥビー8:310参照)。 3 イムラーン家章191「我らが主よ、・・・ありません」の訳注も参照 4 この「御徴」とは、アッラー*の完全なる御力と知識を示す証拠のこと(ムヤッサル208頁参照)。
本当に夜と昼の交代と、アッラー*が諸天と大地に創造されたものの内にはまさに、敬虔なる*民への御徴¹がある。
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1 この「御徴」については、アーヤ*5「御徴」の訳注を参照(アル=カースイミー9:3325参照)。
本当にわれら*との(来世における)拝謁を望まず¹、現世の生活に満足して、それに安じる者たち、そして、われら*の御徴²をなおざりにしている者たち、
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1 この「望まず」は、原語では「ラジャーゥ」から派生した動詞。「望む」と「恐れる」という意味、いずれをも含む。つまり本来は、復活の日*の懲罰を恐れもしなければ、その日の褒美を望みもしない、という意味であるという(アル=バガウィー2:411参照)。 2 この「御徴」の解釈には、「クルアーン*のアーヤ*」「アッラーの唯一性*、全能性を示す証拠」「アッラー*の法規定」といった説がある(アブー・ハイヤーン5:120参照)。
そのような者たちの(来世での)住処は、彼らが(現世で)稼いでいたもの(罪)ゆえの業火。
本当に、信仰し、正しい行い*を行った者たち、彼らの主*はその信仰心ゆえ、彼らをお導きになる¹。安寧の楽園では、彼らの下から河川が流れている。
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1 天国への道と、それにつながる正しい行いへと、「お導きになる」(ムヤッサル209頁参照)。
そこで彼らの祈願は、「あなたに称え*あれ、アッラー*よ」であり、そこでの彼らの挨拶は「(あなた方に)平安を¹」。そして祈願の締めくくりは、「全創造物の主*、アッラー*に全ての称賛*あれ」。²
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1 「あなた方に平安を」については、雷鳴章24の訳注を参照。 2 一説によれば、天国の住人は何か欲しい物があれば、「アッラー*よ、あなたに称え*あれ」と言いさえすれば、天使*がお望みの物を持ってやって来る。その際、彼らは「平安あれ」と挨拶を交わし、望みの物を頂いた後には主*を称賛するのだ、という(アッ=タバリー5:4182-4183参照)。
もし、アッラー*が人々に善きこと(の祈願を聞き入れること)を急がれるように、彼らに悪いこと(の祈願¹を聞き入れ)を急がれるのであれば、彼らには自分たちの(滅亡の)期限(の到来)が決定されてしまったであろう。だが、われら*は(そうせず、)われら*との拝謁を望まない²者たちを彷徨うまま、そのひどい放埓さの中に放ったらかしにしておくのだ。
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1 「悪いことの祈願」とは怒りゆえに、自分自身や子供、財産などに対し、実現したら困るような祈願の言葉を口にしてしまうこと。あるいは戦利品*章32にあるような類の、不信仰者*の祈願のことである、とも言われる(アル=バガウィー2:412参照)。 2 この「望まない」については、アーヤ*7の訳注を参照。
また(不信仰な)人間は、有害が降りかかれば、横になって、または座りつつ、あるいは立ちながら、われら*に祈る。そして、われら*が彼からその害悪を取り除いてやれば、彼は自分に降りかかった害悪(からの救い)について、われら*に祈りなどしなかったかのように(以前の不信仰な状態を)続ける。同様に、(アッラー*とその使徒*に対する嘘において)度を越した者たちには、自分たちが行っていたこと¹が目映く見えたのだ。
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1 つまり試練の時にだけ(アッラー*に)祈願し、殉教の時には感謝を忘れること(アル=バガウィー2:413参照)。
また、われら*は確かにあなた方以前の幾つもの世代を、滅ぼした。使徒*たちが明証¹を携えて彼らのもとに到来したにも関わらず、彼らが不正*を働き、信仰すべくもない状態にあった時のことであった。同様に、われら*は罪深い民に報いるのだ。
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1 この「明証」は、彼らの言うことの正しさを証明する明らかな奇跡や、根拠のこと(ムヤッサル209頁参照)。
それから(人々よ)、われら*は彼らの(滅亡の)後、あなた方を地上の継承者¹とした。あなた方がどのような行いをするか、見届けるために。
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1 「地上の継承者」については、家畜章165の訳注を参照。
また、彼ら(シルク*の徒)にわれら*の明白な御徴(アーヤ*)が読誦された時、われらとの拝謁を望まない¹者たちは(、こう)言った「これではないクルアーン*を披露してみよ。あるいは、それを変えよ²」。(使徒*よ、)言ってやるがいい。「私には、それを自分勝手に変更する権利などない。ただ私は、自分に啓示されたものに従うだけなのだから。本当に私は、もし我が主*に逆らったりしたら、偉大なる(復活の*)日の懲罰(が降りかかること)を怖れている」。
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1 この「望まない」については、アーヤ*7の訳注を参照。 2 「これではないクルアーン*」とは、不信仰者*らの崇めていた偶像などを批判し、禁じるようなものではないもののこと(アル=バガウィー2:414参照)。また「(クルアーン*を)変える」こととは、不信仰者*らの意向に沿って、警告のアーヤ*を吉報のアーヤ*に変えたり、何かを非合法とするアーヤ*を合法とするアーヤ*に変えたり、またその逆にしたりすること(アッ=タバリー5:4188参照)。
(使徒*よ、)言ってやれ。「もしアッラー*がお望みになったのなら、私はそれ(クルアーン*)をあなた方に対して読誦しなかったし、また(アッラー*は)それをあなた方にお教えにもならなかったのだ。(それがアッラー*からの真実だと知れ、)私は確かに、それ(長い)年月¹を過ごしたのだから。一体、あなた方は分別しないのか?」
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1 「年月」とは具体的に、啓示が下るまでの四十年間のこと。その間、預言者*ムハンマド*は嘘をついたことなどもなく、正直さで知られていた(イブン・カスィール4:253-254参照)。
アッラー*に対して嘘を捏造し、あるいはその御徴を嘘呼ばわりする¹者よりも、ひどい不正*を働く者がいようか?本当に罪悪者たちは、成功しないのである。
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1 「嘘の捏造」とは、アッラー*に共同者や子供がある、という主張。「御徴を嘘呼ばわりする」とは、預言者*やクルアーン*を嘘呼ばわりすること(アル=バガウィー4:414参照)。
彼ら(シルク*の徒)はアッラー*を差しおいて、彼らを害しなければ、益もしないようなものを崇めている。そして(彼らは、)言うのだ。「この者たちはアッラー*の御許での、私たちの執り成し手なのである」。(使徒*よ、)言ってやるがいい。「アッラー*に対し、かれが諸天においても大地においても関知されないことを、申し上げるというのか?」かれに称え*あれ、かれは彼らがシルクを犯しているものから(無縁で)、遥かに高遠なお方。
人々はかつて、(イスラーム*という一つの宗教に基づいた、)ただ一つの民に外ならなかったのであり、その後に意見を異にしたのである¹。そして、もしあなたの主からの先んじた御言葉²(による懲罰の猶予)がなかったならば、彼らの間には、彼らが意見を異にしていたことにおいて、(早期での)裁決³が下されていただろう。
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1 つまり、ある者たちは不信仰に陥り、またある者たちは真理を固守した(ムヤッサル210頁参照)。雌牛章214、相談章14とその訳注も参照。 2 この「御言葉」とは、復活の日*まで、彼ら不信仰者*たちの懲罰が猶予される、というアッラー*の定めのこと(前掲書、同頁参照)。 3 真理を固守した者たちが救われ、不信仰の民*が滅ぼされるという「裁決」のこと(前掲書、同頁参照)。
また、彼ら(頑迷な不信仰者*たち)は言う。「どうして彼(ムハンマド*)には、彼の主*から御徴¹が下らないのか?」では(使徒*よ、)言ってやるがいい。「本当にアッラー*にこそ、不可視の世界*は属するのだ。ならば、(私たちへのアッラー*のご裁決を)待つがよい。実に私も、あなた方と共に待つ者となるから」。
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1 この「御徴」は、奇跡のこと(アル=クルトゥビー8:323参照)。同様のアーヤ*として、雌牛章108、家畜章109-110、夜の旅章90-93、ター・ハー章133、預言者*たち章5、識別章7-8、創成者*章42も参照。
また、われら*が(シルク*を犯している)人々に、彼らに降りかかった災難の後、慈悲¹を味わわせたならば、どうであろう、彼らはわれら*の御徴に対して策謀²する。(使徒*よ、)言ってやれ。「アッラー*は、より早く策謀されるお方³」。本当にわれら*の使い(天使*)たちは、あなた方の策謀を書き留めているのだから⁴。
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1 この「慈悲」とは、殉教、平安、豊かさのこと(ムヤッサル211頁参照)。 2 この「策謀」とは、アッラー*の御徴を嘘よばわりし、嘲笑すること(前掲書、同頁参照)。 3 つまり彼らの策謀は、彼らに不利な方に働く。天使*たちは彼らの行いを記録し、アッラー*はそれを子細(しさい)に渡って数え上げられ、それに十分な報いを与えられるのだから(アッ=サァディー361頁参照)。「アッラー*が策謀する」という表現については、雌牛章15の同様の表現についての訳注も参照。 4 この天使*たちについては、雷鳴章11とその訳注も参照。
(人々よ、)かれ(アッラー*)は、あなた方を海に陸に移動させられるお方。やがて、あなた方が船上の人となり、それらがよき風と共に彼ら¹を乗せて進み、彼らがそれ(よき風)に有頂天になると、そこに強風が到来し、あらゆる場所から波が彼らを襲い、彼らは(八方ふさがりになって)自分たちの一巻の終わりを悟る。彼らはアッラー*だけに真摯に崇拝*行為を捧げつつ、(こう言って)かれに祈るのである²。「もしも、あなたが私たちをこれからお救い下さったなら、私たちは必ずや(あなたの恩恵を)感謝する者となりますのに」。
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1 ここで突然「あなた方」から「彼ら」に人称が変わる独特の修辞(しゅうじ)法については、食卓章12の訳注を参照。一説に、ここで「彼ら」と切り替わるのは、アッラー*からのお怒りや、かれから遠ざけられることを示しているのだという(アッ=ラーズィー6:234参照)。 2 つまり、それまで拝していたアッラー*以外のものを放棄し、アッラー*だけに真摯に祈りすがる(ムヤッサル211頁参照)。婦人章146の「その崇拝*行為をアッラー*だけに真摯に捧げる」に関する訳注も参照。
それで、かれ(アッラー*)が彼らを(その苦境と恐怖から)お救いになれば、どうであろう、彼らは不当にも地上で(腐敗*や罪によって)侵犯するのだ。人々よ、あなた方の侵犯は、自分自身に対するもの¹に外ならないのだぞ。現世の生活の楽しみ(を、あなた方は楽しんでいるだけ)。やがて、われら*こそがあなた方の帰り所となり、われら*はあなた方が行っていたことを、あなた方に告げ聞かせ(、それに報い)るのである。
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1 その罰は自分自身に帰って来る、ということ(ムヤッサル211頁参照)。
本当に現世の生活の様子は、(雨)水のようなもの。われら*は天からそれを降らし、人々と家畜が食する大地の(様々な)植物が、それと混合(し、茂って互いに混生)する。やがて大地がその装飾品を身にまとい、(種子や果実が花々で)自らを飾り立て、その住民がそれら(の収穫)を手にすることが出来ると思ったところで、(それらを壊滅させるという)われら*の命令が夜中に、あるいは昼間に、それらを襲う。そしてわれら*は、まるでそれらが昨日までは存在しなかったかのように、根こそぎにしてしまうのだ。このようにわれら*は、熟考する民に御徴(アーヤ*)を明らかにする。
アッラー*は平安の地へとお招きになり、かれがお望みになる者をまっすぐな道¹へとお導きになる。
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1 「平安の地」は天国で、「まっすぐな道」はイスラーム*のこととされる(前掲書、同頁参照)。
善を尽くした者¹たちには、最善のものと、(更なる)上乗せ²がある、そして彼らの顔を、埃や屈辱が覆うことはない。それらの者たちは天国の民であり、彼らはそこに永遠に留まる。
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1 蜜蜂章128「最善を尽くす者」の訳注も参照 2 「最善のもの」とは天国で、「上乗せ」とは、天国でアッラー*の御顔を拝(おが)むことや、罪のお赦し、アッラー*のお喜びのこととされる(ムヤッサル212頁参照)。
そして悪行を稼いでいた者たちには、それと同様の悪い報いがあり、屈辱が彼らを覆う。彼らには、アッラー*(の懲罰)から守ってくれる者など、誰もいない。彼らの顔は、あたかも真っ暗な夜の断片に覆われてしまったかのよう。それらの者たちは業火の民であり、彼らはそこに永遠に留まるのだ。
われら*が彼らを皆召集し、それからシルク*を犯していた者たちに、(こう)言う(復活の)日*のこと(を思い起こさせよ)。「あなた方と、あなた方(がアッラー*)の同位者(としていたもの)たちは、自分たちの場所に(控えていよ)¹」。われら*は彼らを別々にし、彼らの(アッラーに対する)同位者たちは、(自分たちを崇めていた者たちに向かって、こう)言う。「あなた方が崇めていたのは、私たちではなかった。
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1 彼らシルク*の徒は復活の日*、信仰者たちとは別の場所に区別される(イブン・カスィール4:264参照)。ビザンチン章14、ヤー・スィーン章59も参照。
アッラー*だけで、私たちとあなた方の間の証人は十分。本当に私たちは、あなた方の(私たちに対する)崇拝*について、無頓着だったのだから」。¹
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1 同様の情景の描写として、雌牛章166-167、マルヤム*章82、物語章63、蜘蛛章25、創成者*章13-14、砂丘章6なども参照。
そこにおいて全ての者は、自分が(現世で)既に行ったことを検証する¹。そしてアッラー*へと、彼らの真の庇護者*の御許へと戻されるのであり、彼らが捏造して(アッラー*と並べて崇めて)いたものは彼らから消え失せてしまうのだ。
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1 つまり自らの状態と成果を検証し、善く有益なものを知り、醜(みにく)く有害なものを知ることになる(イブン・アーシュール11:153参照)。
(使徒*よ、彼らシルク*の徒に)言ってやれ。「天と地から、あなた方に糧を与えられる¹お方は誰か?いや、(あなた方の)聴覚と視覚を所有されるお方²は、誰なのか?また、死から生を取り出され、生から死を取り出される³お方は誰か?そして(全ての)物事を司られるお方は、誰なのか?」そうしたら、彼らは言うだろう、「アッラー*である」と。言ってやれ。「一体、あなた方は(かれを)畏れ*ないのか?」
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1 食卓章66「頭上から足元からも・・・」の訳注を参照。 2 アッラー*こそは人間に聴覚や視覚をお授けになり(王権章23など参照)、またお望みになれば、それを奪うことのできる御力をお持ち(家畜章46など参照)のお方である(イブン・カスィール4:266参照)。 3 「死から生を取り出され・・・」については、イムラーン家章27の訳注を参照。
そのお方がアッラー*、あなた方の真の主*である。そして真理の外には、迷妄があるのみなのではないか?¹一体、どうしてあなた方は(、アッラー*の崇拝*から別のものの崇拝*へと)逸らされるのか?
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1 アッラー*以外のものを主都市、崇拝*することは、例外なく「迷妄」であること(アッ=タバリー5:4209参照)。
(彼らシルク*の徒と)同様に、放逸だった者たちには、彼らは信仰しないという、あなたの主*の御言葉が確定したのである。
(使徒*よ、)言ってやれ。「あなた方(がアッラー*)の同位者(としているもの)たちの内、(無から)創造を始め、その(消滅)後、それを(元通りに)戻すものはあるのか?」言ってやるのだ。「アッラー*(のみ)が創造を始められ、その後にそれをお戻しになる。一体、どうしてあなた方は(、アッラー*の崇拝*から別のものの崇拝*へと)背かされるのか?」
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「あなた方(がアッラー*)の同位者(としているもの)たちの内、真理へと導くものはあるのか?」言ってやれ。「アッラー*(のみ)が真理へとお導き下さるのである。それで一体、真理へとお導き下さるお方が、従われるにより相応しいのか?それとも導かれなければ、自ら導きを得ることはない¹もの(が従われるに相応しいの)か?一体、あなた方はどうしたことか?あなた方は何という、(誤った)判断²をしているのか?
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1 これが偶像のような非生命体である場合、その意味は「誰かに運ばれない限りは、自分自身で移動することも出来ない」といったものに解釈されるという(アル=バガウィー2:419参照)。 2 アッラー*とその創造物を並べ(て崇め)る、という「判断」のこと(ムヤッサル213頁参照)。
彼らの大半が従っているのは、憶測に外ならない。実に憶測は真理に対して、少しも役立つことなどないのに¹。本当にアッラー*は、彼らがなすことをご存知のお方。
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1 この「憶測」とは、偶像が神であり、それらが来世で彼らの執り成しをしてくれる、という考えのこと。「真理」とは、一説には「懲罰」、あるいは「知識」のこと(アル=バガウィー2:420参照)。
このクルアーン*が、アッラー*以外(の誰か)によって捏造されることなど、あり得ない。だが(それは、)それ以前のもの(諸啓典)への確証であり、全創造物の主*からの、疑惑の余地のない啓典(法)の解明なのである。
いや、一体、彼らは(こう)言うのか?「彼(ムハンマド)がそれ(クルアーン*)を捏造したのだ」。(使徒*よ、)言ってやれ。「では、それと同様のスーラ*を一つ、持って来てみよ¹。そして、あなた方がアッラー*以外に(それを頼むことが)出来る(あらゆる)者を、呼んで、(手伝わせて)みるがよい。もし、あなた方が本当のことを言っているのなら」。
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1 雌牛章23の訳注も参照。
いや、彼らは、まだその知識¹を把握してもいなかったものを、(早合点して)嘘よばわりしたのだ。そしてその結末は、まだ彼らのもとに到来してはいないというのに²。同様に、彼ら以前の(不信仰)者*たちも、嘘よばわりしたのだ。そして見るがよい、不正*者たちの結果がいかなるものであったかを。
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1 復活や、現世での行いへの応報、天国、地獄などについての「知識」のこと(ムヤッサル213頁参照)。 2 このアーヤ*の解釈には、「アッラー*が彼らに約束されている懲罰は、まだ到来していない」(アッ=サァディー364頁参照)。「彼らの理解が、まだその意味に追いついていない」「不可視の世界*についての知らせは、まだ結果として実現していない。ゆえに彼らは、それらが真実か嘘か、まだ分からない」(アル=バイダーウィー3:199参照)といった諸説がある。
(使徒*よ、)彼ら(あなたの民)の内には、それ(クルアーン*)を信じる者がおり、また彼らの内には、それを信じない者もいる。あなたの主*は、腐敗*を働く者たちのことを最もよくご存知である。
また(使徒*よ)、もし彼ら(シルク*の徒)があなたを嘘つき呼ばわりしたなら、言ってやるのだ。「私には自分の行い(とその報い)があり、あなた方には自分たちの行い(とその報い)がある。あなた方は私が行うことから無関係であり、私もあなた方が行うこととは無関係なのだ」。
また彼ら(不信仰者*たち)の中には、あなたに(表面的にのみ)耳を傾ける者たちがいる。一体あなたは、分別することもない聾に聞かせるというのか?¹
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1 預言者*が語る言葉に何も感化されない者が、「分別することもない聾」に譬(たと)えられている。次アーヤ*でも同様に、預言者*のい行いや人となりを目にしつつも導かれない者が、「眼識もない盲人」に譬(たと)えられている(イブン・アーシュール11:177-178参照)。
また、彼ら(不信仰者*たち)の中には、あなた(の正しさの証明)に(表面的にのみ)目を向ける者たちがいる。一体あなたは、眼識もない盲人を導くというのか?
本当にアッラー*は、人々に対して少しの不正*も行われない。しかし人々が、自らに不正*を働いているのである。
かれ(アッラー*)が彼らを、あたかも昼の一時しか過ごさなかったかのような状態¹で召集される(復活の)日*、(そこで)彼らは、お互いを認め合う²。アッラー*との拝謁を嘘呼ばわりした者たちは確かに損失したのであり、彼らは導かれた者たちではなかったのだ。
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1 ここでそれ以前に「昼の一時」しか留まっていなかったと感じるのは、その日の余りの恐ろしさゆえである。(アル=クルトゥビー8:347参照)。ター・ハー章103、信仰者たち章113-114、ビザンチン章55、砂丘章35、引き離すもの章46も参照。 2 現世で知り合いだった者どうしは、復活の場でも互いの存在を認め合う。だが余りの恐怖ゆえに、お互いの安否(あんぴ)を尋ね合うことなどもない(イブン・カスィール4:271-272参照)。信仰者たち章101、階段章10-11なども参照。
そして(使徒*よ)、もしわれら*が(あなたの存命中)、彼らに約束したものの一部¹をあなたに見せてやるにせよ、あるいは(その前に)あなたを召すにせよ、われら*にこそ彼らの帰り所はある。それからアッラー*は、彼らがすることの証人なの(であり、彼らに相応の報いを与えられるの)だ。
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1 不信仰者*たちに拘束され、警告された、現世での懲罰のこと(ムヤッサル214頁参照)。
また、(過去の)全ての民には、使徒*が(遣わされて)いる。それで彼らの使徒*が(来世において)到来する時、彼らの間は公正に、不正*を被ることなく、裁かれるのだ。
また、彼ら(シルク*の徒)は言う。「その約束(復活の日*)は、いつなのか?もし、あなた方が本当のことを言っているのならば」。
(使徒*よ、)言ってやれ。「私は自分自身に対し、アッラー*がお望みになったものの外、害(する力)も益(する力)も有してはいない。いかなる民にも、(定められた滅亡の)期限があるのだ。その期限が来れば、(彼らはそれを)一刻たりとも遅らせたり、早めたりすることはない」。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「言ってみよ、もし夜、あるいは昼に、かれ(アッラー*)の懲罰があなた方に到来したら?一体罪悪者たちは、その(懲罰の)内の何を、性急に求めている¹のか?
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1 同様のアーヤとして、家畜章57-58、戦利品章32、フード*章8、雷鳴章6、夜の旅章92、巡礼*章47、蜘蛛章53-54、サード章16、相談章18、階段章1-2も参照。
それから一体、あなた方(シルク*の徒)は、それ(アッラー*の懲罰)が起こる時になって、それを信じるというのか?(その時、あなた方にはこう言われる、)『一体、今頃になって(信じるのか)?あなた方は確かに、それを性急に求めていたくせに』」。¹
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1 アッラー*の最終的な懲罰が訪れたら、私たちは今信仰しました、などと言っても手遅れである(ムヤッサル214頁参照)。家畜章158とその訳注も参照。
それから不正*(シルク*)を働いていた者たちに、(こう)言われる。「永遠の懲罰を味わえ。一体、あなた方が報われているのは、自分たちが(現世で)稼いでいたことゆえ以外の、何ものでもないのではないか?」
(使徒*よ、)彼ら(シルク*の徒)は、あなたに尋ねる。「一体、それ¹は真実なのか?」言ってやるのだ。「然り、我が主*にかけて、本当にそれはまさしく真実である。そしてあなた方は、(それから)、逃れられる者ではない」。
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1 彼らに約束された、復活の日*の懲罰のこと(前掲書、同頁参照)。
もし、不正*(シルク*)を働いたあらゆる者に、地上にあるもの(全て)があったなら、(そして、それを懲罰を免れるための代償とすることが出来たのならば、)それで償ったであろう。そして懲罰を目の当たりにする時、彼らは(余りの恐怖ゆえ)後悔の念を露わに出来ない¹。彼らは不正*を受けることなく、自分たちの間を公正に裁かれるのだ。
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1 「露わに出来ない」と訳した動詞「アラッサ」には、「露わにする」という全く逆の意味もある(アル=バガウィー2:423参照)。
本当にアッラー*にこそ、諸天と大地にあるもの(全て)が属するのではないか。本当にアッラー*のお約束¹は、真実ではないか。だが、彼らの大半は知らないのだ。
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1 褒美と懲罰という「お約束」のこと(アル=バイダーウィー3:203参照)。
かれは生をもたらされ、死をもたらせせられる。そしてかれ(の御許)にこそ、あなた方は戻らされるのである。
人々よ、あなた方のもとには確かに、あなた方の主*からの訓戒と、胸の内にあるものへの癒し¹、導きと、信仰者たちへの慈悲(である、クルアーン*)が到来した。
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1 クルアーン*は間際(まぎわ)らしい間違いや、疑念への癒しであり、心の中の汚れを除去してくれるものである(イブン・カスィール4:274参照)。
(使徒*よ、)言うのだ。「アッラー*のご恩寵とそのご慈悲¹ゆえに(喜べ)、それゆえにこそ喜ぶがよい。それは彼らが(現世で)集めている(つまらなく儚い)ものより、善いのだから」。
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1 ここでの「ご恩寵とご慈悲」とは、アッラー*のお導きと、イスラーム*のこと(ムヤッサル215頁参照)。
(使徒*よ、彼ら不信仰者*たちに)言ってやるがいい。「言ってみよ、アッラー*があなた方のために下された糧のもの(について)。あなた方は(自分たちに)、その一部を非合法とし、(別の一部を)合法とした¹」。言ってやれ。「一体アッラー*が、あなた方に(それを)許可されたのか?いや、あなた方はアッラー*に対して(嘘を)捏造しているのだ」。
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1 具体例として、食卓章103、家畜章136、138-139も参照。
復活の日*、アッラー*に対して嘘を捏造する者たちの(、自分たちの結末に対する)予測は、いかなるものであろう?アッラー*こそはまさしく、人々への恩寵の主であられるが、彼らの大半は感謝しない。
(使徒*よ、)あなたが何らかの用事中でも、まさにクルアーン*から読誦する時でも、あなた方がいかなる行為を行っている時でも、あなた方がそれに取りかかっている時、われら*はもとより、あなた方を見守る者なのである。そして僅かな重みでも、大地にあろうが天にあろうが、あなたの主*(の知識)から免れることはない。また、それより小さいものでも、大きなものでも、明白な書¹に(予め記されてい)ないものはないのだ。²
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1 この「明白な書」とは、守られし碑板*のことである、とされる(アル=バガウィー2:424参照)。 2 同様のアーヤ*として、婦人章40、家畜章59、サバア章3も参照。
本当にアッラー*と親密な者¹たち、彼らには怖れもなければ、悲しむこともない²のではないか。
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1 服従行為によってアッラー*とお近づきになり、アッラー*からの厚遇を受ける者たち(アル=カースイミー9:3364-3365参照)。 2 「怖れもなければ・・・」については、雌牛章38の訳注を参照。
(彼らは)信仰し、(アッラー*を)畏れ*ていた者たち。
彼らには現世の生活と来世において、吉報がある¹。アッラー*の(お約束という)御言葉に、変更はない。それこそは、偉大なる勝利なのである。
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1 預言者*は、こう仰(おっしゃ)ったと伝えられている。「現世における彼らの吉報とは、ムスリム*が見る、あるいは見せられる正夢であり、来世における彼らの吉報は天国である」(アフマド27526参照)。
(使徒*よ、)彼ら(シルク*の徒)の言葉が、あなたを悲しませるようであってはならない。本当に偉力は全て、アッラー*に属するのだから。かれはよくお聴きになるお方、全知者であられる。
本当にアッラー*にこそ、諸天にある者と、大地にある者(全て)が属するのではないか。そしてアッラー*を差しおいて(、かれの)同位者(と自分たちが見なしているもの)たちに祈っている者たちは、何に従っているのか?彼らは憶測に従っているに過ぎないのであり、彼らは決めつけているだけなのだ。
(人々よ、)かれ(アッラー*)は、あなた方がそこで安らぐように夜をお創りになり、昼を(生活のために)視界が利くものとされたお方。本当にそこにはまさしく、耳を傾ける民にとっての御徴¹がある。
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1 この「御徴」とは、アッラーの唯一性*の証拠のこと(ムヤッサル216頁参照)。
彼ら(シルク*の徒)は、言った。「アッラー*は御子をもうけられた」ーーかれ(アッラー*)に称え*あれ¹--。かれは、満ち足りておられる*お方であるのに。かれにこそ、諸天にあるものと大地にあるもの(全て)は属する。あなた方には、これ²についての根拠などないのだ。一体あなた方は、アッラー*について知りもしないことを言うのか?
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1 雌牛章116の訳注も参照。 2 「アッラー*は御子をもうけられた」などといった、シルク*の徒の嘘の数々を指す(前掲書、同頁参照)。
言ってやれ。「本当にアッラー*に対して嘘を捏造する者たちは成功しない」。
(それは)現世における享楽¹。その後、われら*(の御許)こそが、彼らの帰り所となる。それからわれら*は、彼らが不信仰を犯していたことゆえに、彼らに厳しい懲罰を味わわせるのだ。
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1 シルク*の徒らの一部は、現世で享楽や幸福を味わっており、あたかも成功しているかのようである。しかしそれは現世での束の間の享楽であり、真の成功ではない(アブー・アッ=スウード4:163参照)。
(使徒*よ、)彼ら(不信仰者*たち)に、ヌーフ*の話を読唱して聞かせよ。彼(ヌーフ)がその民に、(こう)言った時のこと。「我が民よ、もし(あなた方のもとでの)私の滞留と、アッラーの御徴¹による(あなた方に対しての)私の訓戒が、あなた方にとって苦痛となったとしても、私はアッラーにこそ全てを委ねた*のだ。ならば、あなた方は自分たちの事を、あなた方(がアッラー)の同位者(としているもの)たちと共に決定し、その後はあなた方の(決定した)事を包み隠すことなく(公にし)、それから私に対してやり遂げてみよ²。私を猶予してくれなくてもよい。
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1 この「御徴」については、アッラーの唯一性を示し、彼らが犯していたシルクの虚妄(きょもう)性を暴(あば)く根拠のこと(アル=アルースィー11:157参照)。 2 出来る限りの懲罰や迫害によって、ヌーフを始末するということ(ムヤッサル217頁参照)。
それで、もしあなた方が(私の呼びかけから)背き去ったとしても、私はあなた方に見返り¹を要求していたわけではない。私の見返りは、全創造物の主*から以外の何ものでもないのであり、私は服従する者(ムスリム*)となるように命じられたのだから」。
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1 「見返りの要求」については、家畜章90の訳注を参照。
そして彼らは、彼(ヌーフ*)を嘘つき呼ばわりした。それで、われら*は彼と、彼と共にあった者を船で救って、彼らを継承者¹とし、われら*の御徴²を嘘とした者たちを、溺れ(死に)させた³。ならば、警告を受けた者たちの結末がいかなるものだったかを、見てみるがよい。
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1 「継承者」については、家畜章165の訳注を参照。 2 この「御徴」は、アッラーの唯一性*と、使徒*の正しさを示す証拠のこと(アッ=タバリー5:4240参照)。 3 この時の様子は、フード*章42-48に詳しい。
それから彼(ヌーフ*)の後、われら*は(その他の)使徒*たちを、彼らの民に遣わした。それで彼ら(使徒*たち)は、明証¹と共に彼ら(その民)のもとに到来したものの、彼ら以前にそれを嘘呼ばわりしていたことゆえ、(使徒*たちのもたらしたものを)信じるべくもなかった²。同様にわれら*は、(アッラー*の法と使徒たちの教えに対する)侵犯者たちの心を、閉じてしまうのである³。
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1 この「明証」については、アーヤ*13「明証」の訳注を参照。 2 同様のアーヤ*として、家畜章110とその訳注も参照。(イブン・カスィール4:284参照)。 3 雌牛章7「・・・塞がれた」の訳注も参照。
それから彼らの後、われら*はムーサー*とハールーン*をわれら*の御徴¹と共に、フィルアウン*とその(民の)有力者たちに遣わした。そして彼らは、(真実を受け入れることに)高慢であり、罪悪者である民であった。
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1 この「御徴」は、アッラーの唯一性*と、使徒*の正しさを示す証拠のこと(アッ=タバリー5:4240参照)。
そして、彼らのもとにわれら*の御許からの真実が訪れると、彼らは言った。「本当にこれはまさしく、紛れもない魔術だ」。
ムーサーは言った。「一体あなた方は真実があなた方のもとを訪れた時、それに対して(そのようなことを)言うのか?これが魔術だというのか?魔術師たちは、成功しないというのに」。
彼らは、(ムーサー*に)言った。「一体あなたは、私たちが見出した自分たちのご先祖様のやり方¹から、私たちを背かせるために来たのか?そして地上での権威が、あなた方両人(ムーサー*とハールーン*)のものとなるために?私たちはあなた方のことなど、信じる者ではないというのに」。
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1 「ご先祖様のやり方」については、雌牛章170の訳注を参照。
フィルアウン*は、(有力者たちに)言った。「あらゆる習熟した魔術師を、私のもとに連れて来い」。
そして魔術師たちがやって来ると、ムーサー*は彼らに言った。「あなた方が投げる物(紐や杖など)を、「投げるがよい」。¹
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1 話の流れとしては、この前に高壁章115、ター・ハー章65のような状況がある。尚ムーサー*が魔術師らに先手を取らせたのは、彼らが既に列を作って準備を整えていたのと、先に人々に魔術師らの行いを見せることで、ムーサー*によるアッラー*の奇跡の真実性と魔術の嘘を明らかにするためであった、とされる(イブン・カスィール4:286参照)。
それで彼らが(それらを)投げた時、ムーサー*は言った¹。「あなた方が披露したものは、魔術である。本当にアッラー*は、それを無効にして下さろう。実にアッラー*は、腐敗*を働く者たちの行い²を、容認されないのだから。
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1 ムーサー*のこの言葉の前には、高壁章116、ター・ハー章67-69に描かれているような状況がある(前掲書4:286-287参照)。 2 これは一説に、腐敗*を及ぼすあらゆる物事のこと。そして魔術や魔術師は、この内の最たるものである(アッ=シャウカーニ2:672参照)。
そしてアッラー*は、その御言葉によって真理を確立される。たとえ、罪悪者たちが嫌がろうとも」。
そしてムーサーを信じたのは、その民の子孫だけだった。彼らは、フィルアウン*とその有力者たち¹が、自分たちを試練にかけることを怖がっていたーー本当にフィルアウンは地上で驕り高ぶり、本当にまさしく、彼は度を越した者たちの類いであったーー。
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1 「その民」「その有力者たち」いずいれも、「その」が「ムーサーの」あるいは「フィルアウンの」を指す、という異なる解釈がある(アル=バガウィー2:430参照)。
また、ムーサー*は言った。「我が民よ、もしアッラー*を信じたというのなら、かれにこそ全てを委ねよ*。もしあなた方が、服従する者(ムスリム*)であるならば」。
それで彼ら(ムーサー*の民)は、言った。「私たちは、アッラー*にこそ全てを委ねました。我らが主*よ、私たちを不正*者である民への試練とはしないで下さい¹
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1 「不信仰者*たちが私たちに勝利し、その結果、私たちが宗教から遠ざけられないようにして下さい」という意味。あるいは、「不信仰者*たちが私たちに
勝利することにより、そのことが彼らに、彼らの方が正しかったのだと誤解(ごかい)させないように
して下さい」ということ(ムヤッサル218頁参照)。
また、あなたのご慈悲によって、私たちを不信仰の民*からお救いください」。
われら*は、ムーサー*とその兄(ハールーン*)に(、こう)啓示した。「あなた方二人の民のためにエジプトで家々を拠り所とし、あなた方の家々をキブラ*とし、礼拝を遵守*せよ¹。そして信仰者たちには、吉報を伝えるのだ」。
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1 大半の解釈学者によれば、イスラーイールの子ら*はムーサー*たちの到来後、彼らの礼拝所を破壊(はかい)され、礼拝を禁じられた。それで彼らは家をマスジド*とし、彼らのキブラ*であるエルサレムの方に向けるように命じられた(アル=バガウィー4:431参照)。
また、ムーサー*は言った。「我らが主*よ、実にあなたはフィルアウン*とその(民の)有力者に、現世の生活において、飾りと財産をお与えになりました。我らが主*よ、(その結果、)彼らは(それらの恩恵に感謝せず、)あなたの道から(自分たちと人々を)迷わせたのです。我らが主*よ、彼らの財産を変容させ¹、彼らの心をきつく狭め、それで痛烈な懲罰を目の当たりにするまでは、彼らが信仰しないようにして下さい」。
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1 貨幣や農産物などが、価値のない石に変り果てること。あるいは、朽(く)ち果ててしまうこと(アッ=タバリー5:4254-4256参照)。
かれ(アッラー*)は仰せられた。「あなた方二人の祈願は、確かに聞き入れられた。ゆえに確固としてあれ¹。そして(われら*の約束と警告について)知識のない者たちの道には、断じて従ってはならない」。
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1 自分たちの宗教の遵守(じゅんしゅ)と、フィルアウン*とその民を正しい教えへと招き続けることにおいて、確固としてあること(ムヤッサル219頁参照)。
われら*は、イスラーイールの子ら*に海を渡らせた¹。そしてフィルアウン*とその軍勢は不当にも敵対して、彼らを追った。やがて溺死が彼(フィルアウン*)に襲いかかった時、彼は言った。「私は、イスラーイールの子ら*が信じたお方(アッラー*)の外、崇拝*すべき何ものもないことを信じました。そして私は、服従する者(ムスリム*)の一人なのです」。
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1 この出来事については、ター・ハー章77-78、詩人たち章61-66、煙霧章23-24も参照。
「(フィルアウン*よ、)今頃(信仰するの)か?¹あなたは以前、確かに反抗していたし、腐敗*を働く者たちの類いだったのに。
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1 死が訪れれば、悔悟をしても受け入れられない(ムヤッサル219頁参照)。家畜章158とその訳注も参照。
それでわれら*はこの日、あなたがあなたの後(世)の者たちへの(訓戒すべき)御徴となるべく、あなたをその肉体のみ¹、高台にうち上げてやるとしよう。本当に多くの人々は、われら*の御徴に無頓着なのである²」。³
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1 魂のない肉体、あるいは彼が着ていた鎧(よろい)のこと(アル=バガウィー2:433参照)。 2 一説によれば、ムーサー*と共にエジプトを脱出したイスラーイールの子ら*の一部は、フィルアウン*が溺れ死んだのを信じない、と主張した。それでアッラー*は、彼の死が明白になるよう、このようにされたのだという(イブン・カスィール4:294参照)。 3 これが誰の言葉であるか、という点については、「アッラー*」「ジブリール*」「ミーカーイール*」「その他の天使*」といった諸説がある(アル=クルトゥビー8:379参照)。
われら*は確かに、イスラーイールの子ら*を善い土地に住まわせ、善きものの内から、彼らに糧を授けた。そして彼らが意見を異にしたのは、彼らのもとに知識が到来した後のことだったのだ¹。本当にあなたの主*は復活の日*、彼らが意見を異にしていたことについて、彼らの間に裁決をお下しになる。
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1 このアーヤ*の意味については、雌牛章213、相談章14とその訳注を参照。
もし(使徒*よ)、われら*があなた¹に下したもの(の真実性)について疑念を抱いているのなら、(確証と証言を得るため、)あなた以前に啓典を読んでいる者たちに尋ねるがよい。真理は確かにあなたの主*から、あなたのもとに到来したのである。ならば絶対に、(そのことを)疑わしく思う者たちの類いになってはならない。
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1 このアーヤ*と、後続のアーヤ*の「あなた」については、雌牛章120の訳注を参照(前掲書8:383参照)。
また(使徒*よ、)あなたは絶対に、アッラー*の御徴を嘘呼ばわりした者たちの一人となり、それによって損失者の類いとなってはならない。
本当に、(懲罰という)あなたの主*の御言葉が自分たちに確定した者たちは、信じないのである。
たとえ、彼らのもとに(訓戒と教訓としての)あらゆる御徴が訪れても。痛烈な懲罰を目の当たりにするまで(、信じないのだ)。¹
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1 アーヤ*91の訳注も参照。
どうして町(の住民)は(、懲罰を目の当たりにする前に)信仰し、その信仰で自らを益しなかったのか?¹ 但しユーヌス*の民だけは別で、彼らが信仰した時(、懲罰はまさに下ろうとしていたが)、われら*は彼らから現世の生活における屈辱の懲罰を取り除いてやり、暫しの間、彼ら(の余命)を楽しませておいたのである。²
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1 この件(くだり)には、懲罰が下るまで信仰しなかった過去の不信仰の民*に対する非難と、懲罰が到来した時に信仰しても彼らは救われなかったのだという、否定の意味が含まれているという(イブン・ジュザイ1:388)。また当時のマッカ*の民に対する警告と、信仰への奨励(しょうれい)も多分含まれている(イブン・アーシュール11:289参照)。家畜章158とその訳注も参照。 2 ユーヌス*はその民に懲罰の警告をして立ち去った(詳しくは預言者*たち章87、整列者章139-148とその訳注を参照)が、懲罰の兆候(ちょうこう)を目の当たりにした民は信仰に入り、必死になってアッラー*に救いを求めた。その結果、アッラー*は彼らにご慈悲をおかけになったのである(イブン・カスィール4:297参照)。
(使徒*よ、)あなたの主*がお望みになったなら、地上の全ての者が揃って、信仰に入ったであろう。一体あなたは、人々が信仰者となるように強制するというのか?¹
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1 強制された信仰については、家畜章158、詩人たち章4とその訳注も参照。最終的な導きは、アッラーのみに委ねられていることに関しては、雌牛章272、蜜蜂章37、蟻章80、物語章56、相談章52とその訳注を参照。
また、アッラー*のお許しなくしては、誰も信仰することなど叶わない。そして、かれ(アッラー*)は(、そのご命令を)弁えない者たちに対して、穢れ¹をお与えになるのだ。
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1 この「穢れ」は、懲罰と屈辱のこと(ムヤッサル220頁参照)。
(使徒*よ、)言ってやれ。「諸天にあるものと、大地にあるものを考えてみよーー御徴も警告も、信仰しない民には無益なのだがーー」。
彼らは一体、彼ら以前に過ぎ去って行った(不信仰)者*たちの日々¹のようなものを、待つというのか?(使徒*よ、)言ってやるがいい。「では、待つがよい。本当に私も、あなた方と共に(あなた方への懲罰を、)待つ者となるから」。
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1 過去の不信仰者*たちが、アッラー*からの懲罰を目の当たりにした「日々」のこと(ムヤッサル220頁参照)。
それからわれら*は、われらの使徒たちと、信仰した者たちを、救い出す。そのようにーー(それは)われらにとって必須なのだーー、われらは信仰者たちを救う。
(使徒*よ、)言うのだ。「人々よ、もしあなた方が私の宗教(イスラーム*)に疑念を抱いていたとしても、私はあなた方がアッラー*を差しおいて崇めているものを、崇拝*しない。だが私は、あなた方(の魂)をお召しになるアッラー*を崇拝*するのであり、信仰者の一人となることを命じられたのである。
そして、『(使徒*よ、)あなた¹の顔をその純正²な宗教(イスラーム*)へと正すのだ。断じて、シルク*の徒の類いとなってはならない。
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1 この「あなた」は預言者*だけでなく、彼の共同体の全員にも向けられている(ムヤッサル220頁参照)。 2 雌牛章135「純正な」についての訳注を参照。また「顔」についても、同省112の訳注を参照。
また、あなた¹を益することもなければ害することもないもの²を、アッラー*を差しおいて祈ってはならない。もし(そのようなことを)したならば、そうしたら、本当にあなたは不正*者の類いとなってしまうだろう』と(命じられたのだ)」。
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1 つまり、それらを崇拝*しても、それらがあなたを益することはない。そして、もしそれらに敵対しても、それらがあなたを害することもない(アル=バガウィー2:437参照)。
(使徒*よ、)もしアッラー*があなたに害悪をお与えになれば、かれ以外には誰一人、それを取り除いてくれる者はいない。また、かれがあなたに何らかの善をお望みになれば誰一人として、その恩寵を突き返す(ことの出来る)者はいない¹。かれはその僕の内から、かれがお望みになる者に、それ(有害あるいは善)をお与えになるのであり、かれは赦し深いお方、慈愛深い*お方なのだ。
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1 この「害悪」と「善」については、家畜章17の訳注を参照。
(使徒*よ、)言ってやれ。「人々よ、あなた方の主*から、あなた方のもとに真理が到来した。それで(それにより)導かれた者があれば、本当に彼は自分を益するために導かれるだけであり、また迷う者があれば、自分を害するために迷うだけ。そして私は(あなた方の信仰を委任された)、あなた方に対する代理人などではない」。
そして(使徒*よ、)あなたに啓示されるものに従い、アッラー*が裁決¹を下されるまで忍耐せよ。かれは、裁決者の内でも最善のお方であられる。
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1 アッラー*はバドルの戦い*の日、彼らを征伐(せいばつ)するという「裁決」をお下しになり、その残存者たちについては、彼らと同様の目にあわせるか、あるいはアッラー*に悔悟するかのいずれかとなるよう、命じられた(アッ=タバリー5:4277参照)。