ترجمة سورة طه

الترجمة اليابانية - سعيد ساتو
ترجمة معاني سورة طه باللغة اليابانية من كتاب الترجمة اليابانية - سعيد ساتو .

ター・ハー¹。
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1 この文字群については、頻出名・用語解説の「クルアーンの冒頭に現れる文字群*」を参照。
(使徒*よ、)われら*があなたにクルアーン*を下したのは、あなたが不幸になるためではない¹。
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1 啓示と、様々な義務や制約を含むその教えの目的は、人を不幸にさせることではない。慈悲深いアッラー*はそれを、幸福・成功・勝利への導きとされ、この上なく易(やさ)しいものとされ、心身への栄養・身体の休息とされたのである(アッ=サァディー501頁参照)。
しかし、(それをあなたに下したのは、アッラー*の懲罰を)恐れる者への、教訓とするため。
大地と、高き諸天をお創りになったお方から、次々と下されたものとして。
(かれは)慈悲あまねき*お方、まさに御座に上がられた¹。
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1 「(アッラー*が)御座に上がられる」については、高壁章54の訳注を参照。
かれにこそ、諸天にあるもの、地にあるもの、その間にあるもの、土の下にあるものは属する。
たとえあなたが言葉を露わにしても(隠しても)、本当にかれは秘密と、更に秘められたことをご存知である。
アッラー*はかれ以外には崇拝*すべきもののないお方。かれにこそ、美名は属する。
一体、あなたのもとにムーサー*の話は届いたか?
彼が火を目にし、自分の家族に(こう)言った時。「待っていなさい。まさに私は、火を見つけたのだ。私はそこからあなた方に、火種を持って来るだろう。あるいは火のもとに、(道の)案内人を見つけるかもしれない」。¹
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1 これはムーサー*が、家族を連れてマドゥヤン*からエジプトへと向かう途中、道を迷ってしまった時の出来事であり、時節は冬の夜であったとされる(アル=クルトゥビー11:171参照)。蟻章7、物語章29も参照。こうして物質的な明かりと導きを見出すこととなる(アッ=サァディー502頁参照)。
こうして彼がそこ¹にやって来た時、(こう)呼びかけられた。「ムーサー*よ、
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1 ムーサー*が火と思ったものは、白い火に包まれた緑樹であったという(アル=バガウィー3:256参照)。
本当にわれこそは、あなたの主*である。ならば、(われとの語らいのため、)あなたの靴を脱ぐがよい。まさにあなたは、聖なる谷トゥワー¹にいるのだから。
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1 「トゥワー」という語の意味には諸説あるが、イブン・カスィール*はそれが谷の固有名詞であるという説を有力視している(5:266-267)。
そしてわれは、あなたを(使徒*として)選んだのだ。ならば、(あなたに)啓示されることに、耳を傾けよ。
本当にわれこそは、われ以外に崇拝*すべきもののない、アッラー*。ゆえにわれを崇拝*し、われを唱念すべく礼拝を遵守*せよ。
本当にその時(復活の日*)は、訪れる。全ての者が自分の努力することによって報われるようにするため、われはそれ(が訪れる時)を、(われ自身にさえも)隠してしまわんばかりである。¹
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1 アル=バガウィー*によれば、大半の解釈学者はこのアーヤ*を「アッラー*は、復活の日*の時をご自身にさえお隠しになりそうな程なのだから、創造物にとっては知る由もない」と解釈している。また、復活の日*の時が分からないからこそ、人はそれを常に恐れるようになるのである(3:258参照)。
ならば、それを信じず、自分の欲望に従った者が、あなたをそれ¹から阻むようであってはならない。そうすれば、あなたは破滅してしまう。
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1 つまり復活の日*への信仰と、それへの準備のこと(ムヤッサル313頁参照)。
あなたの右手にあるそれは何か、ムーサー*よ?」
彼は申し上げた。「これは、私の杖です。私はこれに寄りかかったり、これで(木々の葉を)私の羊の上に突き落としたりします。また、私にはそれに、外の使い道もあるのです」。
かれは仰せられた。「それを投げるがよい、ムーサー*よ」。
彼はそれを投げた。すると、どうであろう、それは這い回る大蛇となった(ので、彼は怖がって逃げ出した)。
かれは仰せられた。「それを掴め。そして怖がるのではない。われら*はそれを、元の形に戻すのだから。
また、あなたの手を自分の脇に挟んでみよ。それはもう一つの御徴として、災い¹もなしに、白くなって出てくる。
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1 この「災い」は、皮膚(ひふ)の病気などのことを指す(ムヤッサル313頁参照)。
(これらのことは、)われら*があなたに、われら*の最大の御徴¹の内から、見せてやるためなのである。
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1 この「御徴」とは、アッラー*の御力、その権威の偉大さ、ムーサー*が真の使徒*であることを証明する、最大の根拠のこと(前掲書、同頁参照)。
(ムーサー*よ、われへと招くべく、)フィルアウン*のもとへ行くのだ。実に彼は、(われへの反抗において)度を越してしまったのだから」。
彼は申し上げた。「我が主*よ、私の胸を広げ¹、
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1 「胸を広げる」という訳をあてた原語は、字義的には「胸の柔らかい表面を切り開く」といった意味。それが転じて実際には、「何かを実行するにあたって、無邪気さや迷いの気持ちを取り除くこと」のたとえに用いられる(イブン・アーシュール16:210参照)。ムーサー*は、強大な権力と軍勢を有するフィルアウン*に立ち向かうことになり、非常な恐怖を感じていた(アル=バガウィー3:260参照)し、預言者*となる前に誤って人を殺してしまったことの心配もあった(物語章33参照)。
我が任務を、私のために容易にし、
私の舌のもつれ¹を解いて下さい。
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1 ムーサー*には、舌足らずな所、あるいは口下手(くちべた)な所があったとされる(イブン・カスィール5:282参照)。詩人たち章13、物語章34も参照。
そうすれば、彼らは私の言葉を理解しましょう。
また私に、私の家族から、片腕をお授け下さい。
我が兄、ハールーン*を。
彼によって、私の背中¹を強固にし、
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1 「背中を強固にする」とは、背中が身体動作の中心であり、確固さの要(かなめ)であることが転じて、「力を強くする」という意味で用いられるアラビア語的表現(イブン・アーシュール16:213参照)。
私の任務に彼を、協力させて下さい。¹
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1 ハールーン*は、ムーサー*よりも雄弁だった。物語章34も参照。
(それは、)私たちがあなたを沢山称え*、
あなたをよく唱念するため。
本当にあなたはもとより、私たちをご覧になっていたお方」。
かれ(アッラー*)は仰せられた。「あなたは、あなたの願いを確かに叶えられたぞ、ムーサー*よ」。
そしてわれら*は確かに、別の時にも、あなたに恵みを垂れてやったのだ。¹
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1 この「恵み」はムーサー*の出生後、彼が啓示を受けるまでに授かったもの(アブー・アッ=スウード6:14参照)。次のアーヤ*からは、その過去の出来事が長い挿入(そうにゅう)節の形で、言及される。
われら*があなたの母に、示されるもの¹を示した時。
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1 このように「・・・もの」として、関係代名詞を用いて非特定の形で表現することは、その内容の重大さを示すアラビア語の修辞的表現の一つ(アッ=シャンキーティー4:8参照)。
「彼(生まれたばかりのムーサー*)を箱に入れて、それを海原¹へと放り投げよ²。そして海原に、それを岸へと投げ出させよ。そうすればわが敵と、彼(ムーサー*)にとっての敵³が、それを手にするから」。また、われはあなた(ムーサー*)に、わが御許からの愛情を授けた。そして、(それは)あなたが、わが眼差しの中で⁴育まれるためであったのだ。
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1 この「海原」は、ナイル川のこと(ムヤッサル314頁参照)。 2 この出来事の背景については、雌牛章49の「男児は殺し・・・」の訳注を参照。ムーサー*の幼少時に起こった、アッラー*の彼に対する恩恵を示す諸々の出来事は、物語章7-14に詳しく描写されている。 3 この「敵」は、フィルアウン*のこと(ムヤッサル314頁参照)。 4 つまり、アッラー*の守護のもとで、ということ(ムヤッサル314頁参照) 。
あなた(ムーサー*)の姉が、(あなたの入った箱を追って)歩んで行き、(その箱を拾った者に、こう)言った時。「あなた方に、彼の世話をしてくれる者を、お教えしましょうか?」こうして、われら*はあなたを、あなたの母親へと返した。(それは)彼女が喜ぶ¹ようにし、悲しまないようにするためであった。また、あなたは(過って、コプト)人を殺してしまった¹けれど、われら*はあなたを苦悩から救ってやった。そしてわれら*は、あなたをまさに試練にかけたのだ。また、あなたは(殺されるのを怖れて逃げ、)マドゥヤン*の民のもとで数年過ごし、それから定め通りーームーサー*よーーあなたはやって来たのだ²。
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1 この「喜ぶ」という表現については、マルヤム*章26び訳注を参照。 2 これはムーサー*がある程度、成長してからの出来事(アル=バガウィー3:262参照)。詳しくは、物語章15を参照。 3 ムーサー*がエジプトからマドゥヤン*へと逃れ、それからまたエジプトへと戻って来るまでの出来事は、物語章20-29に詳しい。そしてアーヤ*37からの、ムーサー*に対する過去のアッラー*の恩恵を示す話題がここで終わり、ここからはアーヤ*36の続きが再開する。
われは、われ自身の(教えの伝達の)ために、あなたを(これらの恩恵で)養成した¹のである。
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1 つまりアッラー*は彼を、かれの教えを伝える者、かれの命じられ禁じられたことを守る者として、お選びになったのである(ムヤッサル314頁参照)。
あなた(ムーサー*)と、あなたの兄(ハールーン*)は、わが御徴¹を携えて行くのだ。そして、われの唱念(を持続すること)において、気力を失ってはならない。
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1 この「御徴」に関しては、雌牛章92の「明証」についての訳注を参照。
(二人で、)フィルアウン*のもとに行け。実に彼は、(われへの反抗において)度を越してしまったのだから。
そして、彼が教訓を得、(自分の主*を)恐れるよう、彼に柔らかい言葉で語りかけよ。
彼ら二人は、申し上げた。「我らが主*よ、本当に私たちは、彼が私たちに対して早まったこと¹をしたり、あるいは(真理に対して)高慢になったりすることを怖れます」。
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1 つまり、彼らを罰すること(ムヤッサル314頁参照)。
かれは仰せられた。「怖れるのではない。実にわれは、あなた方二人と共にあり、(あなた方のことを)聞き、見ているのだから」。
そして、あなた方二人は彼のもとへ行き、(こう)言うのだ。「本当に私たちは、あなたの主*の二人の使徒*なのです。ですから、イスラーイールの子ら*を私たちと共に自由にし¹、彼らを苦しめないで下さい。私たちは確かに、あなたの主の御許からの御徴¹と共に、あなたのもとへやって来たのですから。導きに従う者には、(現世と来世での)平安があります。
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1 この「自由にする」については、高壁章105とその訳注も参照。 2 この「御徴」に関しては、アーヤ*42の同語についての訳注を参照。
本当に私たちには、(アッラー*の教えを)嘘呼ばわりし、(それから)背を向ける者には懲罰があると、確かに啓示されたのです」。
彼(フィルアウン*)は言った。「では、あなた方二人の主*とは誰なのか、ムーサー*よ?」
彼(ムーサー*)は言った。「我らが主*は、全てのものにその(相応しい)形をお授けになり、それから導かれた¹お方です」。
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1 アッラー*は全ての創造物を、飲食・生殖行為など、彼らを益するものへとお導きになった(アル=バガウィー3:264参照)。
彼(フィルアウン*)は言った。「では、(不信仰の中にあった)昔の世代はどうなる?」
彼(ムーサー*)は言った。「その知識は、我が主*の御許、書¹の中にあります。我が主*は間違えることも、忘れることもありません。
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1 「書」とは、守られし碑板*のこととされる(ムヤッサル315頁参照)。
(かれは、)あなた方のために大地を平坦にされ、あなた方のためにそこに(多くの)道をお通しになり、天から(雨)水をお降らしになったお方」。そして、われら*はそれで、様々な種類の植物を出(し、育成)させる。
(アッラー*がお恵みになったよき作物から、)食べ、(それで)あなた方の家畜を飼育するがよい。本当にその中にはまさしく、まともな理性の持ち主への御徴¹があるのだ。
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1 この「御徴」は、アッラー*の御力、かれの唯一性*、かれのみを崇拝*することに関する証拠のこと(前掲書、同頁参照)。
われら*は、あなた方をそれ(大地)から創り、(死後には)その中へとあなた方を戻し、そして(復活の日*には)再び、そこからあなた方を出すのである。
われら*は確かに彼(フィルアウン*)に対し、われら*の御徴¹を全て見せた。そして彼は(それらを)嘘とし、拒んだのだ。
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1 この「御徴」に関しては、アーヤ*42の同語についての訳注を参照。
彼(フィルアウン*)は言った。「一体あなたはーームーサー*よーー、あなたの魔術で私たちを、私たちの地から追い出すため、私たちのもとにやって来たのか?
それでは、私たちも必ずや、それと同様の魔術をあなたに披露しよう。そして私たちとあなたの間に、私たちも、あなたも違えることのない約束を、中ほどの場¹に設けるのだ」。²
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1 町外れに住んでいる者たちでも間題なく来れるような、町の中心地のこと。あるいは、観衆の視界を阻(はば)むようなものがない、平坦な場所(イブン・アーシュール16:246参照)。 2 フィルアウン*が魔術師たちを集結させ、ムーサー*と魔術師たちに決戦させたことについては、高壁章109-126、ユーヌス*章79-82、詩人たち章34-51も参照。
彼(ムーサー*)は言った。「あなた方の約束(の日時)は、晴れ着の日¹で、人々は朝²に集められます」。
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1 人々が着飾る、祭日のこと(ムヤッサル315頁参照)。 2 ここで「朝」と訳した原語は「ドハー」、つまり朝、太陽が昇って暑くなり始める頃(イブン・アーシュール16:246参照)。
フィルアウン*は引き返し、自分の策略を練り上げてから、約束(の日)に現れた。
ムーサー*は、彼ら(魔術師たち)に言った。「あなた方の災難に(気を付けよ)。アッラー*に対して嘘をでっち上げてはならない。そうすれば、かれはあなた方を罰で根こそぎにしてしまおう。(アッラー*に)嘘をでっち上げる者は、確かに敗北するのだ」。
すると彼らは、仲間内で自分たちの事について論議し、密かに密談した。
彼ら(魔術師たち)は言った。「実にこの二人(ムーサー*とハールーン*)は、まさしく魔術師である。彼ら二人はその魔術で、あなた方をあなた方の地から追い出し、あなた方の最善のやり方¹を葬り去ろうとしているのだ。
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1 「あなた方の最善のやり方」とは、彼らの魔術の手法のこと(ムヤッサル315頁参照)。 「あなた方の貴人たち」「あなた方の宗教」といった解釈もある(アル=バガウィー3:266-267参照)。
ならば、あなた方の策略を練り上げ、それから一列になって行くのだ。そしてこの日、(相手に)勝った者は、確かに成功を収めたことになる」。
彼ら(魔術師たち)は、言った。「ムーサー*よ、あなた方が杖を投げるか、それとも私たちが最初に(自分たちが持っているものを)投げる者となるか?」
彼(ムーサー*)は言った。「いや、あなた方が(先に)投げよ」。すると、彼らの縄と杖はどうであろうか、その魔術により、彼(ムーサー*)にはそれらが(大蛇と化して)這い回るように映った。
それでムーサー*は、自らの内に恐怖感を抱いた。
われら*は言った。「怖れるのではない。まさにあなたこそは、(彼らに対する)勝利者なのだから。
そして、あなたの右手にあるもの(杖)を投げよ。そうすれば、それは彼らの作ったもの¹を、呑み込んでしまう。本当に彼らの作ったものは、魔術師の策略なのだ。そして魔術師はどこに行こうと、成功することなどはない」。
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1 魔術による幻の大蛇のこと(ムヤッサル316頁参照)。
(こうしてムーサー*は杖を投げ、それは幻の大蛇を呑み込んだ。)そして魔術師たちは、サジダ*しつつ崩れ落ちた¹。彼らは言った。「私たちは、ハールーン*とムーサー*の主*を信じました」。
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1 高壁章120の訳注も参照。
彼(フィルアウン*)は言った。「私があなた方に許可を出す前に、あなた方は彼を信じた(のか)。本当に彼はまさしく、あなた方に魔術を教えた。あなた方の親玉なのだ。ならば私は必ずや、あなた方の手足を交互に切り落とし、あなた方をナツメヤシの木の幹に磔にしてやろう。そしてあなた方はきっと、私たち¹のいずれが、より厳しく永い罰(の主)なのか、知ることになるのだ」。
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1 「私たちとは、フィルアウン*と、アッラー*のこと(前掲書、同頁参照)。
彼ら(魔術師たち)は言った。「私たちは決して、私たちのもとに到来した明証と、私たちを創成されたお方¹より、あなたを重んじたりはしません。では、あなたのすることを、するがよいでしょう。あなたが(権限を有)するのは、この現世の生活だけのことなのですから。
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1 頻出名・用語集の「創成者*」の項も参照。
本当に私たちは、かれ(アッラー*)が私たちの過ちと、あなたが私たちに無理強いした魔術のことをお赦しになるべく、私たちの主*を信じました。そしてアッラー*は(あなたよりも)より善く、より永いお方¹なのです」。²
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1 アッラー*は、かれに従う者に対し、フィルアウン*が彼に従う者に与えるよりも、善い褒美(ほうび)をお授けになる、またアッラー*は、かれに逆らう者に対し、フィルアウン*が彼に逆らう者に与えるよりも、長期間の懲罰をお与えになる(ムヤッサル316頁参照)。 2 高壁章125-126、及びその訳注も参照。
本当に、自分の主*の御許に罪悪者(不信仰者*)として馳せ参じる者があれば、地獄は彼のためにこそある。彼はそこで(安らぐべく)死ぬことも、(楽しく)生きることもない。
そしてかれの御許に、正しい行い*に励んだ信仰者としてやって来る者、それらの者たちにこそは(天国で)高い位がある。
その下から河川が流れる、永久の楽園が。彼らはそこに永遠に留まる。それが、自らを努めて清めた者¹への褒美なのだ。
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1 「自らを清めた者」とは、自分自身を、汚れ・悪・シルク*から清め、アッラー*だけを崇拝*し、かれに従って逆らわず、シルク*を犯した状態ではなくして主*と拝謁(はいえつ)した者のこと(前掲書、同頁参照)。至高者章14の同語についての訳注も参照。
また、われら*は確かに、ムーサー*に(こう)啓示した¹。「われら*の僕たち(イスラーイールの子ら*)と共に、夜(エジプトを)旅立て。そして(追っ手が)追いつくことを怖がらず、(溺れることも)恐れず、彼らのため、海に干上がった道を作ってやるのだ」。
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1 高壁章127-135にもあるように、この啓示の前、ムーサー*はエジプトに長期間滞在し、フィルアウン*とその民をアッラー*の教えと招き続けている(イブン・カスィール6:142参照)。また、イスラーイールの子ら*がエジプトを脱出した時の描写(びょうしゃ)については、ユーヌス*章90-92、詩人たち章61-66、煙霧章23-24も参照。
こうしてフィルアウン*は、その軍勢に彼らを追跡させた。そして海原から彼らを、彼らを覆ったものが覆った¹。
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1 ムーサー*らが海を渡り終えたところで、その後を追って同じ道をやって来たフィルアウン*とその軍勢に海の水が襲いかかり、彼らは全滅した(アッ=サァディー510頁参照)。「覆ったものが覆った」という表現については、アーヤ*38の訳注を参照。
フィルアウン*はその民を迷わせたのであり、導いたのではなかった。
イスラーイールの子ら*よ、われら*は確かにあなた方¹を、あなた方の敵から救った。また山の右側であなた方と約束を交わし²、あなた方にマンヌとウズラ³を下した。
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1 ここでの「あなた方」については、雌牛章49「あなた方」の訳注を参照。 2 ムーサー*に、トーラー*を啓示するという約束のこととされる。雌牛章51、高壁章142、本スーラ*のアーヤ*86も参照(アッ=シャンキーティー4:74参照)。 3 「マンヌとウズラ」については、雌牛章57の訳注を参照。
われら*があなた方に授けた善きものから、食べるがよい。そしてそれにおいて、放埓であってはならない¹。そうすれば、あなた方にわが怒りが降りかかろう。わが怒りが降りかかる者は誰でも、確かに転落し(破滅し)た²のである。
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1 具体的には、「不正*を犯してはならない」「恩恵をないがしろにしてはならない」「罪深いことにそれを費やしてはならない」「貯め込んではならない」といった解釈がある(アル=バガウィー3:270参照)。 2 「転落(ハワー)」という表現は、地獄の奥底への転落という意味も含み得る(アル=クルトゥビー11:231参照)。
本当にわれは、悔悟し、信仰し、正しい行い*に励み、そして導かれた者に対し、実に赦し深い者なのである。
(アッラー*は仰せられた。)「何があなたを、あなたの民から急がせたのか¹、ムーサー*よ?」
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1 人々を後にして、アッラー*との約束のために山へと急いだ時のことを指す(ムヤッサル317頁参照)。高壁章142以降も参照。
彼(ムーサー*)は、申し上げた。「彼らは、私の後を追って来ている、あれらの者たちです。そして私はーー我が主*よーー、あなたがお喜びになるべく、(彼らを置いて)あなたの御許へと急いだのです」。
かれは仰せられた。「というのも実にわれら*は、あなた(の民との離別)の後、確かにあなたの民を試みたのだ。そしてサーミリーが彼らを、迷わせたのである」。¹
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1 「サーミリー」が誰かについては、「牛を崇拝*する民の出身の男」「ムーサー*の隣人であり、彼を信じたコプト人」など、諸説ある(アッ=シャンキーティー4:78参照)。彼は、ムーサー*がトーラー*を受け取るために民を離れていた時(高壁章143-145参照)、イスラーイールの子ら*の試練の原因となった(高壁章148-153、イブン・カスィール5:310参照)。
ムーサー*は怒り、悲しみつつ、自分の民のもとに戻った。彼は言った。「我が民よ、一体あなた方の主*は、あなた方に、善きお約束¹を約束されたのではなかったのか?一体、(約束の)その期間が、あなた方に長引い(て待ち切れなくなっ)たというのか?それともあなた方は、あなた方の主*からのお怒りが自分たちに降りかかることを望み、それで私との約束を破ったのか?」
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1 「善きお約束」とは、トーラー*の啓示のこと(ムヤッサル317頁参照)。
彼らは言った。「私たちは自分たちの選択で、あなたとの約束を破ったわけではない。しかし私たちは(フィルアウン*の)民の宝飾品の内から、思い荷物を背負わされたのであり、それを(サーミリーの命令通り、火を点けた穴の中に)放り込んだのだ¹。そしてサーミリーも同じように、放り投げた²」。
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1 一説に、イスラーイールの子ら*はエジプトを出る時、コプト人たちから沢山の宝飾品を借りて来ており、そのことについて罪悪感を感じていた(アッ=サァディー511頁参照)。あるいは、それらはフィルアウン*とその軍勢が溺れた時、彼らから奪った物であった。いずれにせよ、その財産、または戦利品*は、彼らにとって非合法なものであった(アル=クルトゥビー11:235参照)。 2 サーミリーの放り投げた物については、アーヤ*96を参照。
こうして彼(サーミリー)は彼らに、鳴き声を有する、実体のある仔牛を(それらの黄金から作って)出した。そして彼ら¹は、言ったのだ。「これは、あなた方の神²であり、ムーサー*の神である。そして彼(ムーサー*)は、(仔牛のことを)忘れてしまった³のだ」。
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1 この「彼ら」とは、イスラーイールの子ら*の内、試練に負けてしまった者たち(ムヤッサル318頁参照)。 2 「神」に関しては、雌牛章133の訳注を参照。 3 つまり、「ムーサー*は、自分の神をここに忘れて、探しに行ってしまった」、あるいは「それがあなた方の神であると言うのを、忘れてしまった」(イブン・カスィール5:311参照)。
一体彼らは、それ(仔牛)が彼らに言葉も返さなければ、彼らに対して害も益も有してはいない¹のが、分からないのか?
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1 「害も益も備えてはいない」については、ユーヌス*章106の訳注を参照。
(ムーサー*の帰還)以前、ハールーン*は彼らに対し、確かに(こう)言った。「我が民よ、あなた方はまさしく、それ(仔牛)で試されている。そして本当に、あなた方の主*は慈悲あまねき*お方。ならば私に従い、私の命令に服すのだ」。
彼らは言った。「私たちは、ムーサー*が私たちの所に戻って来るまで、それ(仔牛)に崇め仕えるのを決して止めないぞ」。
彼(ムーサー*)は言った。「ハールーン*よ、彼らが迷ったのを目にした時、あなたを引き止めたものは何なのか、
あなたが私に従うことから(引き止めたのは)?一体、あなたは私の命令に背いたのか?¹」
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1 ムーサー*は残した民のことを、高壁章142にあるような言葉と共に、ハールーン*に委任していた(ムヤッサル318頁参照)。また、このアーヤ*と同じ場面を描写している、高壁章150-151も参照。
彼(ハールーン*)は言った。「我が母の息子¹よ、私のあごひげも、頭(髪)も、掴まないでくれ。本当に私は、(もし私が彼らを放ったらかしにて、あなたを追っかけていたら、)『あなたはイスラーイールの子ら*を分裂させ、私の言いつけも守らなかった』とあなたが言うことを、恐れていたのだ」。²
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1 「我が母の息子」という表現に関しては、高壁章150の訳注を参照。 2 高壁章150には、このアーヤ*で示されているのとは別のハールーン*の言い訳と、それに対するムーサー*の反応が描写されている。また、イスラーイールの子ら*のこの罪が招いた結果については、雌牛章54とその訳注を、預言者*・使徒*の無謬(むびゅう)性については、同章36の訳注を参照。
彼(ムーサー*)は言った。「では、あなたの言い分は何なのだ、サーミリーよ?」
彼(サーミリー)は言った。「私は、彼らが目にしなかったもの(ジブリール*)を見たのです¹。それで私は、御使い(ジブリール*)の(馬の足)跡から、一掴み(の土)を手にし、それを(燃やして溶けた宝飾品に)投げかけました。そのように私の自我は、(このような行いを)自分自身に目映く見せたのです」。²
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1 これは、彼ら(イスラーイールの子ら*)が海を渡り、それを追うフィルアウン*とその軍勢が、溺れ死んだ時のこと(ムヤッサル318頁参照)。 2 アーヤ*87も参照。
彼(ムーサー*)は言った。「ならば、行くがよい。というのも本当にあなたは、この(現世での)生活にいる間は『(私に)近づくのではない』と言うこと¹になり、本当にあなたにこそは、決して破られることのない(来世での懲罰の)約束があるのだから。あなたが仕えていた自分の神(仔牛)を、見てみるがよい。私たちはそれを必ずや焼き尽くし、それからきっと、それを海原に跡形もなくばら撒いてしまおう」。
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1 触れるべきではなかったジブリール*の遺したものに触れてしまった現世での罰として、サーミリーは「(私に)近づくのではない」と言い、人々との接触を一切絶たなくてはならなくなった(イブン・カスィール5:313-314参照)。
あなた方が崇拝*すべきは、かれ以外に(真に)崇拝*すべきいかなるものもない、アッラー*のみ。かれは(その)知識で、全てのものを網羅し給う。
(使徒*ムハンマド*よ、)そのようにわれら*は、既に過ぎ去ったものの消息の一部を、あなたに語って聞かせる。また、われら*は確かにわれら*の御許から、あなたに教訓(クルアーン*)を授けたのである。
それ(クルアーン*)に背を向ける者は誰でも、本当に復活の日*、(罪という)重荷を背負うことになる。
彼らはそこ(懲罰)に、永遠に留まる。そして復活の日*、彼らの荷物は何と忌まわしいことか。
角笛に吹き込まれるその日¹、われら*はその日、眼が青くなった²罪悪者たちを召集する。
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1 復活の日*のこと(ムヤッサル319頁参照)。家畜章73の訳注も参照。 2 その日の出来事と恐怖の激しさゆえ、彼らの肌と眼の色は青ずんでしまう(前掲書、同頁参照)。また一説によれば、当時のアラブ人は青い眼を不吉がっていた(アッ=ラーズィー8:98参照)。イムラーン家章106も参照。
彼らは、自分たちの間で、ひそひそ話し合(い、こう言)う。「あなた方は(現世で)、十(日間)しか過ごさなかった」。¹
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1 ユーヌス*章45とその訳注、及び、信仰者たち章113-114、ビサンチン章55、砂丘章35、引き離すもの章46も参照。また一説にこの言葉は、現世と来世の長さの違いを実感した時の、彼らの驚きの声であるとも言われる( アッ=ラーズィー8:99参照)。
われら*は、彼らの中で最も見識ある者が、「あなた方は(現世で)、一日しか過ごさなかった」と言う時、彼らの言うことを最もよく知っているのだ。
(使徒*よ、)彼らは、(復活の日*の)山々(の状態)について、あなたに尋ねる。ならば、言うのだ。「我が主*はそれらを、跡形もなく粉々にされる。¹
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1 これら復活の日*の天変地異の様子については、洞窟章47、山将9-10、出来事章5-6、真実章13-15、階段章8-9とその訳注、消息章20、巻き込む章3、衝撃章4-5なども参照。
そしてそれ(大地)を、真っ平でつるつるなものとされ、
あなたはそこに、いかなる歪みや起伏も見出すことがない」。
その日、彼らは呼ぶ者(の声)に従(い、集合の場へと向か)う。彼からの逃げ道は、全くない。そして(人々の)声は、慈悲あまねき*お方(アッラー*)に対して恭順¹にな(って消え入)り、あなたはひそひそ声²しか耳にすることがないのだ。
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1 この「恭順」については、雌牛章45の訳注を参照。 2 「ひそひそ声(ハムス)は、声以外にも、全ての小さい物音を表し得る。復活の集合の場へと静かに向かう、人々の足音という理解も可能(アッ=シャンキーティー4:100参照)。
その日、慈悲あまねき*お方が許可を授け、その言葉においてご満悦された者以外、執り成しは役に立たない。¹
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1 アッラー*のお許しがなければ、預言者*や使徒*でさえも、執り成すことはできない。そして執り成しを受ける側も、その言動においてアッラー*がお喜びになる誠実な信仰者でなければ、執り成しを受けることが出来ない(アッ=サァディー513頁参照)。 雌牛章48の訳注、マルヤム*章87も参照。
かれは、彼らの前にあるものも、背後にあるもの¹も、ご存知なのだ。また彼らが、かれのことを知り尽くすことは出来ない。
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1 「彼らの前にあるもの・・・」については、雌牛章255の訳注を参照。
そして(人々の)顔¹は、永生する*お方、全てを司る*お方へと屈服する。不正*を背負った者は、(復活の日*、)確かに敗北したのだ。
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1 ここで特に顔のみが言及されているのは、人の屈服は顔によって表され、顔において表れるからである、と言われる(アッ=ラーズィー8:102参照)。
そして信仰者で正しい行い*を行う者は誰であれ、不正*も欠損も怖れることがない¹。
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1 やってもいない悪行について問われることもなければ、行った善行の褒美 (ほうび)を不当に減らされることもない、ということ(ムヤッサル319頁参照)。
そのように、われら*はそれをアラビア語のクルアーン*として下し、その中で警告を多彩に示した。(それは、)彼らが(アッラー*を)畏れ*るため、あるいは彼らに教訓を汲ませるためなのである。
そして、王であり、真理であられるアッラー*は、(いかなる欠点からも)高遠なお方であられる。(使徒*よ)、あなたにその啓示が(一頻り)下り終わる前に、クルアーン*(を受け取ること)に慌てるのではない。そして、言うのだ。「我が主*よ、私に知識を増やして下さい」。¹
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1 預言者*ムハンマド*は、クルアーン*という知識への愛着と熱意ゆえに、ジブリール*がそれを彼に読誦(どくしょう)して伝授する際、それを慌(あわ)てて受け取ろうとした(復活章16以降、およびその訳注も参照)。それでアッラー*は、彼が知識の増加を、アッラー*ご自身にこそ求めることを命じられた(アッ=サァディー514頁参照)。
われら*は確かに以前、アーダム*に(楽園の木の実を食べないよう)命じた¹。そして彼は(そのことを)忘れてしまい、われらは彼に(命令を遵守するだけの)注意(の力)を見出すことがなかった。
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1 この出来事の詳細に関しては、雌牛章30-39、高壁章11-25、夜の旅章61-65、サード章71-83なども参照のこと。預言者*・使徒*の無謬(むびゅう)性については、雌牛章36の訳注を参照。
また、われら*が天使*たちに「アーダム*にサジダ¹せよ」と言い、彼らが(全員)サジダ*した時のこと(を思い出せ)²。但しイブリース*だけは別で、(それを)拒んだ。³
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1 この「サジダ*」については、雌牛章34の訳注を参照。 2 この出来事の詳細に関しては、雌牛章34-39、高壁章11-25、アル=ヒジュル章28-42、夜の旅章61-65、洞窟章50、サード章71-83なども参照。 3 イブリース*がサジダ*を拒んだことについては、高壁章12とその訳注も参照。
われら*は言った。「アーダム*よ、本当にこれ(イブリース*)はあなたと、あなたの妻に対する敵である。ならば、彼に(従って)あなた方二人を楽園¹から追い出させ、それであなた²が不幸になるようではならない。
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1 この「楽園」については、雌牛章35の訳注を参照。 1 シャイターン*に従えば、アーダム*もその妻ハウワーゥ*も、不幸になることに変わりはない。一説に、ここでアーダム*のみが「不幸になる」と言及されているのは、ここでの「不幸」が「身体的労苦」のことであり、シャイターン*に従って楽園から出たら、それまでは保証されていた衣食住を獲得するために苦労するのは、男性であるアーダム*自身に外ならないため、とされる(アル=クルトゥビー11:253参照)。
本当にあなたはそこ(楽園)において、飢えることもなければ、裸になることもない。
また、そこで喉が渇くことも、太陽に晒されることもない。
すると、シャイターン*が彼に囁きかけて、言った。「アーダム*よ、永遠の(生を授けてくれる)木と、廃れることのない王権へと、あなたを案内してやろうか?」
こうして二人はそこから食べ、二人の恥部(アウラ*)は彼ら自身に露わになってしまい、二人は楽園の葉でそれら(アウラ*)を隠し始めた¹。アーダム*は彼の主*に逆らい、誤った²のである。
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1 高壁章22とその訳注も参照。 2 クルアーン*がスンナ*の中にある描写を読むのでない限り、人がアーダム*を「主*に逆らった」などと描写することは、預言者*・人類の祖に対する礼儀上、許されない(イブン・アル=アラビー3:259参照)。預言者*の無謬(むびゅう)性については、雌牛章36の訳注を参照。
それから、かれの主*は彼(アーダム*)をお選びになり、彼の悔悟をお受け入れになり、お導きになった。
かれは仰せられた。「二人とも共に、(イブリース*と)互いに敵となって、そこ(楽園)から落ちて行け。そして、あなた方にわれら*の御許からの導きが到来した時、わが導き(使徒*と啓典)に従う者は誰でも、(現世で)迷うことはなく、(来世で)不幸になることもない。
また、わが教訓に背を向ける者、本当に彼には苦しい生活¹がある。そしてわれら*は復活の日*、彼を盲目にして集める²のだ」。
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1 ある種の解釈学者らは、この「苦しい生活」を、現世・復活の日*が来るまでの死後の世界・来世におけるもの、という広い意味で理解している(アッ=サァディー515頁参照)。 2 現世で、アッラー*の教訓において盲目であったように、来世ではその視覚を奪われる(アル=カースィミー 11:4230参照)。夜の旅章97の訳注も参照。
彼は言う。「我が主*よ、どうして私を盲目にしてお集めになったのですか?私は(現世では、)目が見えていましたのに?」
かれは仰せられる。「(あなたがしたことと、)同様(にしたの)である。われらの御徴はあなたに到来し、そしてあなたはそれを(故意に)忘れたのだから。それで同じようにこの日、あなたは(地獄に)忘れ去られよう」。
そのように、われら*は自分の主*の御徴を信じず、(主*への反抗に)度を越していた者に応報を与える。来世の懲罰こそは、より厳しく、より永いのである。
一体、われら*が彼ら以前に、どれほど多くの(不信仰な)民*を滅ぼしたかが、彼らにはまだ明らかになってはいないのか?彼らはその者たちの住居の中を、(その滅亡の跡を目にして)歩いているというのに?本当にそこ¹にはまさしく、まともな理性の持ち主への御徴があるのだ。
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1 つまり、多くの不信仰な民が罰を受けて滅亡し、その痕跡が残っていること(ムヤッサル321頁参照)。
(彼ら不信仰者*の懲罰を先送りにするという)あなたの主*からの先んじた御言葉と、定められた期限¹さえなければ、(彼らの早期での滅亡は)必然だったのである。
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1 この「定められた期限」には具体的に、「彼らの寿命や懲罰に関して定められた期限」「復活の日*」「バドルの戦い*」といった解釈がある(アル=バイダーウィー4:76参照)。
ならば(使徒*よ、)彼らの言うことに忍耐*せよ。また、太陽が昇る前とそれが沈む前、そして夜の一部¹において、あなたの主*の称賛*と共に(かれを)称える*のだ。また、昼の端々¹に(アッラー*を)称えよ。(それは、)あなたが(その褒美で)満足するようになるためである。
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1 この三つの時間は、それぞれファジュル*、アスル*、イシャーゥ*の礼拝時間を指しているのだという(ムヤッサル321頁参照) 。カーフ章39-40とその訳注も参照。 2 これは一説に、昼の前半の終わりであるズフル*と、昼の後半の終わりであるマグリブ*の礼拝時間のこと(前掲書、同頁参照)。
また、われら*が彼ら(不信仰者*))の内の様々な者たちを楽しませているものに、決してあなたの(羨望の)視線を釘付けにするのではない。(それは、)われら*がそれで彼らを試練にかけるための、現世の生活の飾りなのである。あなたの主*の糧¹は、(彼らが味わっている享楽)より善く、より永く続くものなのだ。
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1 この「糧」は、来世での褒美のこと(アッ=タバリー7:5661参照)。
また(使徒*よ)、あなたの家族¹に礼拝を命じ、それ(を行うこと)において忍耐*を重ねよ。われら*があなたに糧を求めるのではなく²、われら*があなたに糧を与えるのだから。そして(現世と来世における、善き)結末は、敬虔*さ(を纏った者たち)にあるのだ。
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1 この「家族」は、彼の家族以外はもちろんのこと、彼のムスリム*共同体全員をも指している(アル=クルトゥビー11:263参照)。 2 つまり、アッラー*こそが「あなた自身と彼らの糧」を保障されるのだから、生活の糧を求めるがために、礼拝をおろそかにしてはならない、ということ(前掲書、同頁参照)。撒き散らすもの章56-58、離婚章2-3も参照。
彼らは言う。「どうして彼(使徒*)は自分の主*の御許から、私たちに御徴¹を持って来ないのか?」一体、以前の書巻の中にあるものに対する明証²は、彼らに到来しなかったのか?
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1 この「御徴」とは、奇跡のこと(アッ=サァディー517頁参照)。 しかし、たとえ奇跡を目にしても、彼らは信じることがない。家畜章109-110、ユーヌス*章97、創成者*章42なども参照。 2 過去の啓典に含まれた真理を確証する、クルアーン*のこと(ムヤッサル321頁参照)。食卓章48も参照。
もしわれら*が懲罰によって、それ以前¹に彼らを滅亡させていたら、彼らは(こう)言ったであろう。「我らが主*よ、どうしてあなたは私たちに、使徒*を遣わしてくれなかったのですか?そうすれば私たちは、(あなたの懲罰によって)卑しめられ、辱められる前に、あなたの御徴に従いましたのに」。²
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1 使徒*を遣わし、啓典を下す以前、ということ(前掲書、同頁参照)。 2 関連するアーヤ*として、婦人章165、家畜章131、155-157、夜の旅章15とその訳注、詩人たち章208、創成者*章24も参照。
(使徒*よ、)言ってやるのだ。「(私たちの(いずれも、(誰に勝利があるか)待ち望む身にある。ならば、待ち望むがいい。あなた方は、誰が真っ当な道の徒であり、誰が導かれていたかを知ることになるのだから」。
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