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諸天と大地を創造され、闇と光¹をお創りになったアッラー*に、称賛*あれ。その後に及んで不信仰に陥った者*たちは、自分たちの主*に対して(かれ以外のものを)並べている²。
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1 この「闇」と「光」については、雌牛章257の訳注を参照。 2 つまり、シルク*を犯しているということ。
かれは、あなた方(の父租アーダム*)を泥土からお創りになり¹、それから(あなた方の)寿命を決定されたお方。そして定められた時期²(の知識)は、かれの御許にある。その後に及んで、あなた方は(死後の復活を)疑わしく思っているのだ。
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1 アーダム*が土から階段を経(へ)て作られたことについては、アル=ヒジュル章26の訳注を参照。 2 復活の日*のこと(ムヤッサル128頁参照)。
そしてかれは、諸天と大地において(真に)崇拝*されるべきお方。あなた方が密かにすることも、露わにすることもご存知であり、あなた方が稼ぐもの¹もご存知である。
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1 善悪を問わず、あらゆる行為のこと(前掲書、同頁参照)。
彼らの主*の御徴¹の内、いかなる御徴が彼らのもとに到来した時でも、彼らがそれに背を向けないことはなかった。
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1 この「御徴」とは、アッラーの唯一性*と預言者*ムハンマド*の正直さを示す根拠の数々のこと(ムヤッサル128頁参照)。
彼らは真理(クルアーン*)を、それが自分たちのもとに到来した時、嘘呼ばわりしたのだから。ならば、いずれ彼らのもとには、彼らが嘲笑していたものの知らせが(事実として)やって来るであろう。
一体彼らは、われら*が彼ら以前に、どれだけ多くの(不信仰な)世代を滅ぼしてきたかを、知らないのか?われら*は地上において彼らに、あなた方には授けなかった力を授けた。また、われら*は彼らに豊かな雨を送り、彼らの下からは河川を走らせた。にも関わらず(彼らは不信仰に陥ったので、)われら*は彼らをその罪ゆえに滅ぼし、彼らの後に別の世代を設けたのである。
(使徒*よ、)たとえわれら*が、あなたに啓典を書面で下し、彼らがそれに自分たちの手で触れたとしても、不信仰に陥った者*たちは(こう)言ったであろう。「これは紛れもない魔術に外ならない」。
また、彼らは言った。「どうして彼に、(彼が使徒*であることを証言する)天使*が下らないのか?」もしわれら*が天使*を下したら、事は決定されてしまった¹であろう。その後、彼らは、猶予を与えられることものないのだ。
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1 彼らが不信仰の状態にある時に天使*が遣わされたら、それはアッラー*から彼らへの懲罰が下る時である(イブン・カスィール3:241参照)。アーヤ*111、アル=ヒジュル章7‐8、夜の旅章92、識別章7も参照。
また、もし彼(使徒*)を天使*としたならば、われら*は彼(その天使)を人(の姿)としたのである。そしてわれら*は、彼らが(自分たちを)惑わしているもので、彼らを惑わすことになっただろう¹。
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1 通常、人間は天使*をその本来の姿において捉(とら)えることが不可能なため、たとえアッラー*が天使*を下したとしても、結局は人間の姿を取ることになる。こうして不振後者*らは、人間である預言者*ムハンマド*の使徒*性を拒否したように、人間の姿をした天使*の使徒*についても同様の態度を取ることになる。(ムヤッサル129頁参照)。
あなた以前の使徒*たちもまた、確かに嘲笑されたのである。それで彼らの内の嘲っていた者たちを、彼らが嘲笑していたもの(懲罰)が包囲したのだ。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「地上を旅し、それから(使徒*たちを)嘘呼ばわりした者たちの結末がどのようなものであったか、見てみるがよい」。
(使徒*よ、)言ってやるのだ。「諸天と大地にあるものは、誰に属しているのか?」言うのだ。「アッラー*に属する」。アッラー*はご自身に、慈悲を定められた¹。かれは疑惑の余地のない復活の日*に、必ずやあなた方を召集される。自らを(シルク*で)損ねた者たち、彼らは信じないのである。
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1 預言者*ムハンマド*は仰(おっしゃ)った。「創造を完成された後、アッラー*は守られし碑板*にこう記された。『わが慈悲は、わが怒りに勝れり』」(アル=ブハーリー7404参照)。
夜と昼に静止するもの(と動くもの)¹は(全て)、かれにこそ属する。かれはよくお聴きになるお方、全知者であられる。
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1 つまり天地に存在する全創造物のこと(ムヤッサル129頁参照)。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「私が、諸天と大地の創成者*アッラー*以外のものを、庇護者*とすることなどあろうか?かれは養い給うお方であって、養われるお方ではないというのに」。言うのだ。「私は(この共同体において)、服従する者(ムスリム*)の先駆けとなることを命じられたのである。(私は、こう命じられたのだ。)『決して、シルク*の徒の類いとなってはならない』」。
(使徒*よ、)言うがよい。「本当に私は、もし我が主*に逆らったりしたら、この上ない(復活の)日*の懲罰(が自分に降りかかること)を怖れる」。
その日、それ(懲罰)から遠ざけられる者があれば、かれ(アッラー*)は確かに、その者にご慈悲をおかけになったことになる。そしてそれが、明白な勝利なのである。
(人間よ、)もしアッラー*があなたに害悪¹をお与えになれば、それを取り除いてくれる者は、かれ以外にはいらっしゃらない。また、かれがあなたに善²をお与えになるとしても(、それを阻む者はなく)、かれは全てのことがお出来になるお方なのだ。
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1 この「害悪」とは、貧困や病気などのこと(ムヤッサル129頁参照)。 2 この「善」とは、豊かさや健康などのこと(前掲書、同頁参照)。
かれはその僕たちの上に君臨される*お方であり、また、かれは英知あふれる*お方、(全てに)通暁されているお方。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「何が最大の証拠¹であるか?」言うのだ。「アッラー*が、私とあなた方の間の証人であられる。そしてこのクルアーン*は、私がそれであなた方と、それが届いた全ての者に警告を告げるため、私に啓示されたのだ。一体、本当にあなた方は、アッラー*と共に別の神々²が存在すると証言するのか?」(使徒*よ、)言え。「私は(そのようなことを)証言しない」。言うのだ。「かれこそは、唯一の崇拝*されるべきお方であられる。そして本当に私は、あなた方が(アッラー*の崇拝*において)シルク*を犯しているものから無縁なのだ」。
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1 預言者*ムハンマド*がアッラー*の使徒*である、ということについての証拠(ムヤッサル130頁参照)。 2 「神々」に関しては、雌牛章133の訳注を参照。
われら*が啓典を授けた者*たちは、彼のことを自分たちの子供を知るように(よく)知っている¹。自らを(不信仰で)損ねた者たち、彼らは信じないのである。
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1 彼らの啓典の中に記されている特徴によって、預言者*ムハンマド*のことをよく知っている、ということ(前掲書、同頁参照)。
アッラー*に対して嘘を捏造し、その御徴を嘘とする者¹よりも、ひどい不正*を働く者がいようか?本当に不正*者たちは、成功しないのである。
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1 つまりアッラー*に同位者があると主張し、アッラー*がその使徒*たちを援助した数々の明証を嘘呼ばわりする者のこと(前掲書、同頁参照)。
われら*が彼らを皆召集し、それからシルク*を犯していた者たちに、(こう)言う日¹のこと(を思い起こさせよ)。「あなた方が主張していた²、あなた方(がアッラー*)の同位者(としていたもの)たちはどこにいるのか?」
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1 復活の日*のこと(前掲書、同頁参照)。 2 彼らはそれらのものが、アッラー*の御許で、彼らを執り成してくれると主張していた(ムヤッサル130頁参照)。雌牛章48、マルヤム*章87、ター・ハー章109、集団章3とその訳注も参照。
それから彼らの試練(に対する答え)は、「我らが主*アッラー*に誓って、私たちはシルク*の徒ではありませんでした」と言うことのみであった。
見よ、彼らがいかに自分自身を偽ったかを。そして彼らが(執り成し手として)でっち上げていたものは、彼らから消え去ってしまったのだ。
(使徒*よ、)彼らの内には、あなたに耳を傾ける者もいる。われら*は、彼らがそれ(クルアーン*)を理解出来ないように、彼らの心には覆いを、その耳には重しをかけた¹というのに。そして、たとえいかなる御徴²を目にしても、彼らはそれを信仰しない。果ては(御徴を見た挙句、)あなたのもとに議論を吹っ掛けながらやって来ると、不信仰に陥った者*たちは(こう)言うのだ。「これは、昔の人たちのお伽噺に過ぎない」。
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1 「耳には重しをかけた」とは、聴覚を鈍らせ、彼らを益するものを聞こえさせなくさせた、の意(アッ=サァディー253頁参照)。また、雌牛章7の訳注も参照。 2 この「御徴」については、アーヤ*4「御徴」の訳注を参照(アッ=タバリー4:3150参照)。
また、彼らは(人々に)それ¹を禁じ、自分たちもまたそれから遠ざかる。彼らは気付かないまま、自分自身を滅ぼしているに外ならない。
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1 つまり預言者*ムハンマド*に耳を傾け、従うこと(ムヤッサル130頁参照)。
(使徒*よ、)もし、あなたが目にしたならば。彼らが(地獄の)業火の上に留まらされ、(こう)言う時のことを。「ああ、私たちが(現世に)戻され、我が主*の御徴を嘘呼ばわりせず、信仰者たちの仲間となれたなら!」¹
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1 いざ復活の日*(あるいは死)が到来すると、彼らは現世での猶予を求めたり、自分たちを現世に返してくれることを頼んだりするが、それは叶わない。高壁章53、イブラーヒーム*章44、信仰者たち章99-100、アッ=サジダ*章12、創成者*章37、赦し深いお方章11-12、相談章44、偽信者*たち章10-11も参照。
いや、(その日は)かつて彼らが隠していたこと¹が、彼らの前で露呈するのだ。そしてたとえ(現世に)戻されたとしても、彼らは禁じられたことに立ち返るのである。本当に彼らは、まさしく嘘つきなのだ。
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1 つまり彼らは、現世で使徒*たちが伝えたことが真実だということを隠していた(ムヤッサル131頁参照)。
また彼ら(シルクの徒*)は、言った。「それ¹は、私たちの現世の生活以外にはない。そして私たちは、蘇らされる身などではないのだ」。
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1 この「それ」は、人生を指す。つまり彼らは現世の生活しか信じていなかった(前掲書、同頁参照)。
(使徒*よ、)彼らが(復活の日*、)その主*の御前に立たされる時のことを、あなたが目にしたならば。かれ(アッラー*)は仰せられる。「一体これ(死後の復活)は、真実ではないのか?」彼らは言う。「我らが主*に誓って、確かにそうです」。かれは仰せられる。「ならば、あなた方が(アッラー*とその使徒*を)否定していたことゆえに、懲罰を味わうがよい」。
アッラー*との拝謁を嘘とした者たちは、確かに損失したのだ。やがて(復活の)その時が彼らのもとを不慮に訪れると、彼らは(罪という)重荷をその背に負いながら(、こう)言う。「ああ、私たちがそこ(現世)で疎かにしていたこと¹への、私たちの悲痛よ!」彼らが背負っているものは、何と忌まわしいものではないか。
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1 「疎かにしていたこと」とは、来世のための現世での行いのこと(アル=クルトゥビー6:413参照)。
現世の生活は、遊興と戯れごとに過ぎない¹。そして来世の住まいこそは、(アッラー*を)畏れる*者たちにとって、より善いのである。一体あなた方は、弁えないのか?
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1 この「現世」には、「不信仰者*の人生」と「現世の享楽」という解釈がある。後者の解釈の場合、「現世の享楽」が「遊興と戯れごと」にたとえられている理由は、いずれも「期間が短い」「大方の場合、好ましくないことを伴う」「無意味であり真の価値がない」「賞賛すべき結末を伴わない」といった共通点があるため、と言われる。一方「来世」の解釈には、「天国」「来世のための行い」「来世の安寧(あんねい)」といった説がある(アッ=ラーズィー4:515‐517参照)。
われら*は、本当に彼らの言うことがあなたを悲しませることを、確かに知っている。(だが、悲しむのではない。)というのも、彼らは(確信をもって)あなたを嘘つき呼ばわりしているのではないのだ。だが不正*者たちはアッラー*の御徴を、否定しているのである¹。
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1 彼らは、預言者*となる前から「信頼のおける人」という名で呼ばれていたムハンマド*自身のことではなく、彼に啓示されたアーヤ*のことを嘘よばわりしていた(アッ=サァディー254頁参照)。
また、あなた以前の使徒*たちも、確かに嘘つき呼ばわりされたのだ。それで彼らは、自分たちにわれら*の勝利が到来するまで、嘘つき呼ばわりされたり迫害されたりすることに忍耐*し続けたのである。そしてアッラー*の御言葉¹を変更するものは、何一つない。(使徒*よ、)あなたのもとには、(あなた以前に)遣わされた者たちの知らせ²の一部が、確かに届いたのだ。
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1 預言者*が彼に敵対する者に対して勝利を収めるという、アッラー*のお約束のこと(ムヤッサル131頁参照)。 2 これは、使徒*たちには勝利が、そして使徒*たちを嘘つき呼ばわりした者たちにはアッラー*のお怒りと懲罰が下った、という「知らせ」のこと(前掲書、同頁参照)。
また、(使徒*よ、)もし彼らの拒絶があなたにとって過酷だというなら、もしあなたが地面に穴を、あるいは天に梯子を求め¹、彼らに(自分の正しさを証明する)御徴をもたらすことが出来るのならば、(、そうしてみよ)²。そして、もしアッラー*がお望みなら、彼らを導きのもとに一同にさせたのだ。ならばあなた³は決して、(無闇に悲しみを募らせる)無知な者たちの類いとなるのではない。
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1 「地面に穴を、あるいは天に梯子を・・・」とは、夜の旅章90、92-93で言及されているような、シルク*の徒の要求を示しているとされる(イブン・アーシュール7:205参照)。 2 預言者*ムハンマド*は彼らが信仰することを強く欲していたため、彼らの拒絶に胸を痛めていた。しかし彼自身がいかに努力しても、アッラー*が導きをお望みにならない者を導くことは出来ないのである(アッ=サァディー254頁参照)。雌牛章272、ユーヌス*章99-100、物語章56、相談章52とその訳注も参照。 3 この「あなた」については、雌牛章120の訳注を参照。
(使徒*よ、あなたの呼びかけに)応えるのは、聴き入れる者たちだけである。そして死人たち、アッラー*は彼らを蘇らされるのだ。それから彼らは、かれの御許にこそ戻される。
彼ら(シルク*の徒)は、言った。「どうして彼(ムハンマド*)に、その主*からの御徴¹が下らないのか?」(使徒*よ、)言ってやるがいい。「本当にアッラー*は御徴を下すことがお出来のお方。だが彼らの大半は、(奇跡が起きるかどうかは、アッラー*の英知に任されているということを)知らないのだ」。
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1 この「御徴」は、預言者*の正直さを示す奇跡のこととされる(ムヤッサル132頁参照)。
地を歩くいかなるものも、その双翼で飛ぶいかなるものも、あなた方のような共同体でないものは皆無である¹。われら*がその書²の中で定め残したことなど、何一つないのだ。それから彼らは、自分たちの主*の御許にこそ、召集される。
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1 「あなた方のような共同体」の解釈には、「名前によって区分される、様々な種類から成り立っている」「お互いに意志を通じ合わせることが出来る」「アッラーの唯一性*を知っている」「食べ、餌(えさ)を探し、死から身を守る」といった諸説がある(アル=バガウィー2:122参照)。 2 この「書」とは、守られし碑板*のこと(ムヤッサル132頁参照)。
われら*の御徴を嘘呼ばわりする者たちは、聾で唖¹で、闇の中。アッラー*は誰であろうと、かれがお望みの者を迷わせられる。また誰であろうと、かれがお望みの者を、まっすぐな道の上に置かれるのだ。
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1 「聾」「唖」については、雌牛章18の訳注を参照。
(使徒*よ、シルク*の徒に)言ってやるがいい。「言ってみよ。もしあなた方にアッラー*の懲罰がやって来たり、あるいはあなた方に(復活の)時が訪れたりしたら、一体あなた方は、アッラー*以外のものに祈るのか?もしあなた方が、本当のこと¹を言っているなら(、そうしてみよ)。
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1 つまり、アッラー*以外の何かが物事の害益(がいえき)に作用する、と言う彼らの主張のこと(ムヤッサル132頁参照)。
いや、あなた方は(その時、)かれ(アッラー*)にのみ祈るのであり、それでかれは、あなた方がかれに(その除去を)祈っているものを、取り除いて下さるーーかれがお望みになれば、だがーー。そしてあなた方は(その時)、自分たちが(アッラー*の崇拝*において、)シルク*を犯しているものを忘れるのだ」。
(使徒*よ、)われら*は確かに、あなた以前の共同体に(使徒*たちを)遣わした。そして(彼らが使徒*たちを嘘つき呼ばわりすると、)われら*は彼らが(われら*のみに)おそれ畏まるよう、困窮と災難で彼らを捕らえた。
そして、どうして彼らのもとにわれら*の猛威¹が到来した時、彼らは(われら*に)おそれ畏まらなかったのか?しかし彼らの心は硬化し、シャイターン*は彼らが行っていたことを彼らに目映く見せたのだ。
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1 この「猛威」とは、懲罰のこと(アル=バガウィー2:123参照)。
それで彼らが諭されていたものを忘れた¹時、われら*は全ての(糧の)扉を彼らに開放した²。ついには自分たちに与えられたものに有頂天になった時、われら*は彼らを突然(懲罰で)捕らえたのだ。するとどうであろう、彼らは落胆する者たちとなる。
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1 この「忘れた」は、意図的に放棄した、の意(ムヤッサル132頁参照)。 2 これによって困窮は豊かさに、災難は安全に取って代わった。しかしそれは、彼らへの懲罰が少しずつ近づいて来る序章に過ぎなかった(前掲書、同頁参照)。
こうして不正*を働いた民は、一人残さず根こそぎにされた。全創造物の主*、アッラー*に称賛あれ。
(使徒*よ、彼らシルク*の徒に)言ってやるのだ。「言ってみよ。もしアッラー*があなた方の聴覚と視覚を奪われ、あなた方の心を塞がれたら¹、一体アッラー*以外のいかなる神²が、それをあなた方に与えてくれるのか?」見よ、われら*がいかに御徴³を多彩に示し、その後に及んで、彼らが(その熟慮を)拒絶するのかを。
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1 アッラー*に視覚や聴覚を奪われたり、心を塞がれたりすることについては、雌牛章7の訳注を参照。 2 「神」については、雌牛章133の訳注を参照。 3 この「御徴」については、アーヤ*4「御徴」の訳注を参照(アル=バガウィー2:124参照)。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「言ってみよ。もしアッラー*の懲罰が突然に、あるいは、まざまざと¹あなた方に到来しても、一体不正*者である民以外、滅ぼされることがあろうか?」
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1 「突然に・・・まざまざと」とは、前者が「突然、前置きもなく」後者が「前置きと共に」ということ。また、前者が夜で、後者は昼のことを指すという説もある(アル=カースィミー6:2317参照)。
われら*が遣わされる者(使徒*)たちを遣わすのは、吉報を伝え、警告を告げる者¹としてに外ならない。それで誰であろうと、信仰して(行いを)正す者、彼らには怖れもなければ、悲しむこともない²。
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1 「吉報を伝え、警告を告げる」については、雌牛章119の訳注を参照。 2 「怖れもなければ、悲しむこともない」については、雌牛章38の訳注を参照。
そして、われら*の御徴¹を嘘呼ばわりした者たち、彼らには、彼らが放逸であったことゆえに懲罰が降りかかるのだ。
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1 この「御徴」は、クルアーン*のアーヤ*や、預言者*に与えられた奇跡のこと(ムヤッサル133頁参照)。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「私はあなた方に、自分にはアッラー*の(数々の)宝庫があるなどとは言っていないし、不可視の世界*も知らない¹。またあなた方に、自分こそは天使*だ、とも言ってはいない。私は、自分に啓示されることに従っているだけなのだ」。言うがいい。「盲人と見える者²は、同じであろうか?そして一体、あなた方は熟考しないのか?」
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1 アッラー*の知識によるもの以外は、という意味。預言者*は、アッラー*がお教えになったもの以外、不可視の世界*について知ることはない(イブン・カスィール3:258参照)。イムラーン家章179、ジン*章26-27も参照。 2 「盲人」とはアッラー*の明証に盲目で、それを理解することもなければ、受容することもない者のこと。「見える者」はその逆(アッ=タバリー4:3185参照)。雌牛章7、雷鳴章16、フード*章20、24、巡礼*章46とその訳注も参照。
また(使徒*よ)、自分たちの主*の御許へーーかれの外、庇護者*も執り成し手もいないという状態でーー召集されることを怖れている者たちが、(アッラー*を)畏れる*ようになるように、それ(クルアーン*)で警告するがよい。
そして(預言者*よ、)朝に夕に、その主*の御顔を望んでかれに祈る者たちを、追い払ってはならない¹。あなたに彼らの詮索をする必要は一切なく、彼らにもあなたの詮索をする必要は一切ないのだ²。ゆえに彼らを追い払って、不正*者たちの類いとなってしまってはならない。
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1 このアーヤ*は、アンマール*、ビラール、ハッバーブといった、敬虔な*ムスリム*でありつつも社会的地位の低かった者たちについて、マッカ*の不信仰者*らが預言者*に対し、彼らを追い出すのならあなたに従おう、と言ったことに関して下ったと言われる(ムスリム「教友*たちの徳の書」46参照)。洞窟章28も参照。 2 一説に、不信仰者*たちは彼らの信仰心を、疑うようなことを言った(アッ=シャウカーニ2:168参照)。だが、彼らの信仰心を詮索することは預言者*の仕事ではなく、その内実は彼にとって関係のないことである。彼らの行いの清算が預言者*に影響することもなければ、その逆もない。また、別の解釈によれば、「彼らの糧について、あなたが気にかけることはない」(アル=バイダーウィー2:412参照)という意味。
同様に、われら*は彼らをお互いに試練にかけた¹。その結果、彼らは、「一体、アッラー*は私たちの間から、これらの(弱小な)者たち(を選んで特別)に(導きを)お恵みになったというのか?」と言ったのである²。一体アッラー*が、(かれの恩恵に)感謝する者たちを、最もよくご存知なのではないか?
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1 アッラー*は人々の間に、貧富や強弱などの差をお付けになった。こうして彼らはアッラー*からの試練として、お互いに依存し合うのである(ムヤッサル134頁参照)。金の装飾章32も参照。 2 マッカ*時代初期においてイスラーム*を受容した者の多くは、社会的に弱い立場にあった男女の自由民や奴隷*であった。クライシュ族*の不信仰者*らは彼らを見下し、「もしそれ(イスラーム*への導き)が善いものならば、アッラー*は私たちを差しおいて、あのような者たちを善へとお導きになるはずがない」と主張したのだった(イブン・カスィール3:261参照)。マルヤム*章73、砂丘章11も参照。
また(預言者*よ)、われら*の御徴¹を信じる者たち²があなたのもとにやって来た時には、(こう)言うがよい。「あなた方に平安を³。あなた方の主*は、ご自身に慈悲をお定めになった⁴。本当に誰であろうと、あなた方の内で無知から悪を行ってしまい、それからその後に悔悟して(行いを)正した者、実にかれ(アッラー*)は(そのような者に対し、)赦し深いお方、慈愛深い*お方なのである」。
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1 この「御徴」はクルアーン*など、預言者*ムハンマド*の正直さを示す証拠のこと(ムヤッサル134頁参照)。 2 ここで言及されている者たちとは、新しくイスラーム*を受容した後に預言者*のもとを訪れ、彼らが犯した過去の罪について質問した者たちである、という(アッ=タバリー4:3195参照)。 3 「あなた方に平安を」とは、あらゆる忌(い)まわしい物事からの無事を祈願する言葉。現世と来世における、信仰者どうしの挨拶である(アル=ジャザーイリー2:66参照)。 4「ご自身に慈悲をお定めになった」については、アーヤ*12の訳注を参照。
同様にわれら*は、御徴¹を明らかにする。そして(それは真理が露わになり、)罪悪者たちの道が浮き彫りになるためなのだ。
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1 この「御徴」は、不信仰者*らが否定する全ての真理に対する証拠のこと(ムヤッサル134頁参照)。
(使徒*よ、彼らシルク*の徒に)言ってやるがいい。「本当に私は、あなた方がアッラー*を差しおいて崇めている者たちを崇拝*することを、禁じられたのだ」。言うのだ。「私は、あなた方の私欲には従わない。そんなことをすれば私は確かに迷い去り、導かれた者の一人ではなくなってしまうのだから」。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「本当に私は、自分の主*からの明証に依拠している¹。あなた方は(確かに)、それを嘘呼ばわりしたのだが。私には、あなた方が性急に求めているもの²(を実現させる力)などない。(懲罰の時期についての)裁決は、真理を仰り、最善の裁き手であられるアッラー*にのみ属するのだから」。
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1 つまりアッラー*から啓示された、その教え‐アッラー*のみの崇拝*‐における明白な理解を有している、ということ(前掲書、同頁参照)。 2 彼ら不信仰者*らへの懲罰のこと(前掲書、同頁参照)。不信仰者*らはそのあまりの不信心ゆえ、自分たちに早く懲罰を下してみよ、と嘲笑(ちょうしょう)したものだった。一説には、これは懲罰ではなく、奇跡のこと(アル=クルトゥビー6:436参照)。戦利品*章32、ユーヌス*章16、相談章18、階段章1-2なども参照。
(使徒*よ、)言うがいい。「もし私に、あなた方が性急に求めているもの¹(を実現させる力)があったのならば、私とあなた方の間の問題は片がつけられたであろう。アッラー*は不正*者たちのことを、最もよくご存知であられる」。
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1 前アーヤ*の訳注を参照。
また、かれ(アッラー*)以外に知る者はない不可視の世界*の鍵¹は、かれの御許にこそある。またかれは、陸と海にあるものも(全て)ご存知である。そしてかれがご存知にならずしては、葉一枚も落ちることがない。また、地面の暗闇の中にある種一粒であっても、あるいは湿っているものでも、乾いているもの²でも。(それらのことで)明白な書³の中に(記録されて)ないものは、ないのだ⁴。
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1 教友*イブン・アッバース*によれば、これはルクマーン章34の中で言及されている五つの知識のことであるという(アル=ブハーリー4778参照)。 2 この「湿っているもの」「乾いているもの」には、「水場と砂漠」「芽生えるものと芽生えないもの」「生命のあるものと死んだもの」「つまり全てのもの」といった解釈がある(アル=バガウィー2:130参照)。 3 「明白な書」とは、守られし碑板*のこと(ムヤッサル134頁参照)。 4 同様のアーヤ*として、婦人章40、ユーヌス*章61、サバア章3も参照。
また、かれは夜にあなた方(の魂)を召され¹、あなた方が昼に稼いだものをご存知になるお方。それからかれは、(現世での)定められた期間が全うされるべく、(その魂を再び身体に戻すことで、)あなた方をそこ(昼)において蘇らされる。その後かれの御許にこそ、あなた方の帰り所があるのであり、それからかれは、あなた方が(現世で)行っていたことについて、あなた方にお告げになるのだ。
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1 アッラー*は夜(眠っている時に)、人の魂をお召しになるが、それはちょうど死の際に魂が召されるのと似ている。また眠りから目覚めた時、かれはその魂をその身体へと戻されるが、それは死後に生命が与えられることを彷彿(ほうふつ)とさせる。そして同様にアッラー*は、死後の復活がお出来なのだ(ムヤッサル135頁参照)。また、集団章42も参照。
また、かれはその僕たちの上に君臨される*お方であり、あなた方に記録者たち¹を遣わされる。やがてあなた方の誰かに死が訪れれば、われら*の使いたち²は抜かりなく、彼(の魂)を召すのだ。
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1 この「記者たち」とは、昼夜交代で人間の行いを監視し、記録する天使*たちのこと(アッ=タバリー4:3203参照)。雷鳴章11「交代番」の訳注も参照。 2 この「使いたち」は、死の天使*たちのことを指す(ムヤッサル135頁参照)。
それから彼らは、自分たちの真の庇護者*であるアッラー*の御許へと戻される。(その日の)裁決は、かれのみに属するのではないか。かれは、最も早く計算される*お方である。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「(人目をはばからず)畏まり、そして密かに(こう)祈るあなた方を、陸と海の闇¹から救って下さるのは誰なのか?『かれ(アッラー*)が、もしも私たちをここから救って下さったら、私たちは必ずや(かれのみを崇拝*することで、)感謝する者になります』」。
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1 「陸と海の闇」とは、そこでの困難や恐怖のこと。陸や海の旅行中、道に迷って死の恐怖に陥った時、彼らはアッラー*だけに祈ったものであった(アル=バガウィー2:130参照)。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「アッラー*がそこから、そしてあらゆる苦悩から、あなた方をお救い下さるのだ。その後に及んで、あなた方はシルク*を犯すのである」。
(使徒*よ、)言ってやるのだ。「かれはあなた方の頭上から、またはあなた方の足元から、あなた方に懲罰をもたらすこと¹も、あるいはあなた方を惑わせて分裂させ、互いに(争わせて)痛い目にあわせることもお出来のお方」。見よ、彼らが理解するようにと、われら*がいかに御徴を多彩に示すかを。
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1 「頭上から」の懲罰とは、石が降ってきたり、大雨による洪水などのこと「足元から」の懲罰とは、自身や地割れなどのことである、とされる(ムヤッサル135頁参照)。
あなたの民は、それ¹を嘘呼ばわりした。それは真理であるというのに。言ってやるのだ。「私は、あなた方の代理人²などではない」。
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1 この「それ」には、「クルアーン*」「懲罰」といった解釈がある(アル=バガウィー2:133参照)。 2 彼らを守ったり、監視したりする「代理人」(ムヤッサル135頁参照)。
いかなる話にも、帰結がある。やがてあなた方は、(懲罰という自分たちの最後を)知るだろう。
(使徒*よ、)われら*の御徴(アーヤ*)について(嘘と嘲笑をもって)喋っている者たちを目にしたら、彼らがそれとは別の話題に移るまで、彼らから離れよ。そして、もしシャイターン*があなたに(、それが禁止されているのを)忘れさせてしまうことがあっても、思い出した後には、不正*者である民と同席してはならない¹。
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1 アッ=サァディー*は、このアーヤ*が示す内容に含まれるものとして、本人にそれを正す力がない限り「偽(いつわ)りを語る者」「非合法な物事を語ったり行ったりする者」との同席や、あらゆる悪事の場に立ち会うことの禁止も挙げている(260頁参照)。
そして(アッラー*を)畏れる*者たちは、彼らの勘定¹において、いかなる責任も問われない。しかし彼らが(アッラー*を)畏れる*べく、訓戒を(与えよ)。
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1「彼らの勘定」とは、クルアーン*を嘲笑しつつ語っている者たちに対する、アッラー*の清算のこと(ムヤッサル136頁参照)。
(使徒*よ、)自分たちの宗教¹を遊興と戯れごととし、現世の生活に欺かれた者たちは、放っておけ。また、人が自分で稼いだもの²ゆえに(あらゆる善を)差し止められぬよう、それ(クルアーン*)で教訓を与えよ。彼にはアッラー*の外、いかなる庇護者*も執り成し手もないのだ。また、たとえあらゆる代償を払っても、彼から受け入れてはもらえない。それらの者たちは、自分の稼いだものゆえ、(あらゆる善を)差し止められた者たちである。彼らには、彼らが不信仰に陥っていたことゆえの、煮えたぎる湯の飲み物と、痛ましい懲罰があるのだ。
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1 イスラーム*のこと(前掲書、同頁参照)。 2 この「稼いだもの」とは、罪と、自分の主*に対する不信仰のこと(前掲書、同頁参照)。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「一体私たちが、アッラー*を差しおいて、私たちを益することもなければ、害することもないものに祈るというのか?また、アッラー*が私たちを導かれた後に、私たちが自分たちの後方へ引き返す¹とでも?ちょうど、『私たちのもとに来なさい』と導きに呼びかける(信仰者の)仲間たちがあるにも関わらず、シャイターン*どもに唆され、地上で迷ってしまった者のように?」言うのだ。「本当にアッラー*のお導きこそ、(真の)導きである。そして私たちは、全創造物の主*に服従(イスラーム*)するよう命じられたのだ」。
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1 「後方へ引き返す」とは、不信仰へ戻ることを指す(前掲書、同頁参照)。
また(、私たちは)礼拝を遵守*し、かれを畏れ*よ、と(命じられた)。かれは(復活の日*)、あなた方がその御許へと召集されるお方である。
また、かれは、真実によって諸天と大地をお創りになったお方¹。かれが「あれ」と仰せられれば、即そのようになる(復活の)日*のこと(を思い起こさせよ)。かれの御言葉は、真実。角笛に吹き込まれるその日²、かれにこそ王権は属する³。(かれは)不可視の世界*も、現象界⁴もご存知のお方。そしてかれは、英知あふれる*お方、(全てに)通暁されたお方なのだ。
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1 イムラーン家章191「我らが主*よ、・・・ありません」の訳注も参照。 2 この角笛が天使*イスラーフィールによって一回目に吹き鳴らされると、全ては息絶え、二回目に吹き鳴らされると、それらが復活する(アル=クルトゥビー7:20参照)。 3 そもそも全ての王権はアッラー*に属するが、復活の日*には、かれ以外に王を名乗る者がいなくなる(アッ=サァディー261頁参照)。 4 「現象界」とは、人々が目にし、知ることのできる物事のこと(イブン・カスィール7:309参照)。
イブラーヒーム*がその父アーザルに対し、(こう)言った時のこと(を思い起こさせよ)。「一体あなたは、偶像を神¹とするのですか?本当に私は、あなたとあなたの民が、紛れもない迷妄の中にあるとお見受けします」。
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1 「神」に関しては、雌牛章133の訳注を参照。
また同様に、われら*はイブラーヒーム*に諸天と大地の絶対なる王権を見せた¹。(それは彼がそれによって証明し、)彼が(アッラーの唯一性*について)確信する者の一人となるためであった。
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1 つまりアッラー*はそこにある創造物を通して、イブラーヒーム*がアッラーの唯一性*を証明する方法を教示された(イブン・カスィール3:290参照)。
そして夜の帳が彼の上に下りた時、彼は星を見た。彼は(民に向かって)言った¹。「これが我が主*だ」。そしてそれが姿を消した時、彼は言った。「私は、消え行くものが好きではない」。
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1 ここからアーヤ*78までのイブラーヒーム*の語りは、天体を拝していた自分の民に対し、彼らの宗教の間違いと、アッラーの唯一性*を証明するための議論として彼が用いた手法であり、彼自身の信仰が誤っていたわけではない(ムヤッサル137頁参照)。
また、月が昇るのを見た時、彼は言った。「これが我が主*だ」。そしてそれが姿を消した時、彼は言った。「もしも、我が主*が私をお導きにならなければ、私は必ずや、迷い去った民の類いとなってしまうだろう」。
それから太陽が昇るのを見た時、彼は言った。「これが我が主*だ。これは(前者)より大きい」。そしてそれが姿を消した時、彼は言った。「我が民よ、本当に私は、あなた方が(アッラー*に)並べて(崇めて)いるものとは無縁なのだ。
本当に私は、諸天と大地を創成されたお方¹に、我が顔を純正に向ける²。そして私は、シルク*の徒の類いではないのだ」。
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1 頻出名・用語解説の「創成者*」も参照。 2「我が顔を純正に向ける」とは、自分の崇拝*行為をアッラー*のみに向ける、ということ。「顔」という語が用いられているのは、それが人間において最も特徴ある部位であるためとされる(アル=クルトゥビー7:28参照)。「純正」については雌牛章135の訳注を参照。
彼の民は、彼と言い争った。彼は言った。「一体あなた方は、アッラー(の唯一性*)について、私と言い争うというのか?かれは確かに、私をお導きになったというのに。私は、あなた方が(アッラー*に)並べて(崇めて)いるもの(の害)など、怖れてはいない。ただ、我が主*が何か(私を罰されるようなこと)をお望みになるのなら、別だが。我が主*は(その)知識で、全てのものを網羅されているのだ。一体あなた方は、教訓を得ないのか?
また、どうして私が、あなた方が(アッラー*に)並べて(崇めて)いるものを怖れようか?あなた方はアッラー*に対し、かれが(崇拝*すべき)いかなる根拠も下されなかったものを並べ(て崇め)ることを、怖れてはいない。ならば二派¹の内のいずれが、(アッラー*の懲罰から)より安泰であるというのか?もし、あなた方が知っているのならば(、だが)」。
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1 つまりアッラー*だけを崇拝*する徒と、シルク*の徒のこと(ムヤッサル137頁参照)。
信仰し、その信仰に、いかなる不正*¹も混じえない者たち、そのような者たちにこそ安泰があるのであり、彼らは導かれた者たちなのだ。
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1 この「不正*」は、シルク*のこと(アル=ブハーリー4629参照)。
それが、われら*がイブラーヒーム*に、その民に対して、授けた論拠である。われら*は、われら*が望む者の位を上げるのだ。本当にあなたの主*は、英知あふれる*お方、全知者であられるのだから。
また、われら*は彼にイスハーク*とヤァクーブ*を恵み、(その)いずれをも導いた。また(彼ら)以前に、ヌーフ*も導いた。そしてその子孫であるダーウード*、スライマーン*、アイユーブ*、ユースフ*、ムーサー*、ハールーン*も。同様にわれら*は、善を尽くす者¹たちに報いるのだ。
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1 「善を尽くす者」については、蜜蜂章128の訳注を参照。
またザカリーヤー*、ヤヒヤー*、イーサー*、イルヤース*も(導いた)。(彼らは)皆、正しい者*たちの仲間であった。
そしてイスマイール*、アル=ヤサウ*、ユーヌス*、ルート*も(導いた)。彼ら全員を、われら*は外のいかなる者よりも引き立てた¹のだ。
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1 「外のいかなる者よりも・・・」については、雌牛章47の訳注を参照。
また彼らの先祖、子孫、兄弟の内からも(導いた)。そしてわれら*は彼らを選り抜き、彼らをまっすぐな道へと導いたのだ。
それはアッラー*のお導きであり、かれはその僕たちの内から、かれがお望みになる者をそれで導かれる。そして、もし彼らがシルク*を犯したら、彼らが行っていたことは彼らにとって台無しになるのだ。
それらの(預言)者*たちは、われら*が啓典と英知と預言者*としての天分を授けた者たちである。それで、もしこれらの(不信仰)者*たちがそれ¹を否定するのなら、われら*はそれを否定しない(別の)民²に、それを確かに委ねるであろう。
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1 クルアーン*のアーヤ*のこと(ムヤッサル138頁参照)。 2 この「民」とは、ムハージルーン*とアンサール*、そして彼らの後を継ぐムスリム*たちのこと(前掲書、同頁参照)。
それらの者たちは、アッラー*がお導き下さった者たち。ならば(使徒*よ)、彼らの導きをこそ踏襲するのだ。言うがよい。「私はそのことゆえに、あなた方に見返り¹を求めているわけではない。それは全世界への教訓に外ならないのだから」。
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1 アッラー*の教えへと招くことと、人々がそれを受け入れることによる、貸しや物質的見返りのこと(アッ=サアディー263頁参照)。
彼らは、彼らが「アッラー*は人間に、何もお下しにはならなかった」と言った時、アッラー*を真に敬わなかった。(使徒*よ、彼らシルク*の徒に)言ってやるがいい。「ムーサー*が人々への光と導きとして携えて来た啓典(トーラー*)を下したのは、一体誰なのか?あなた方¹はそれを(分断された)紙片に記している。あなた方はそれ(の一部)は公にし、多くの部分²は隠蔽しているのだ。あなた方(アラブ人)は、あなた方自身も自分たちの先祖も知らなかったことを、(クルアーン*によって)教わったというのに」。言ってやるのだ。「(それを下したのは、)アッラー*である」。それから彼らを、その戯言の中でふざけるままに、放っておくのだ。
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1 この「あなた方」はマッカ*の不信仰者*ではなく、語りかけの対象が一転して、ユダヤ教徒*たちを指している、とされる。そして後に、また語りかけの対象はアラブ人の不信仰者*らに戻る(ムヤッサル139頁参照)。 2 預言者*ムハンマド*の特徴と、彼の預言者*性を描写するくだりなどのこと(前掲書、同頁参照)。
これ(クルアーン*)は、われら*が下した、祝福にあふれ、それ以前のものを確証する啓典である。また、あなたが都市の母と、その周辺¹にいる者へ警告を告げるために(、われら*はそれを下した)。そして来世を信じる者は、自分たちの礼拝を遵守*しつつ、それを信じるのだ。
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1「都市の母」とは、マッカ*のこと。この呼び名の理由には、大地がマッカ*から広がったからという説や、アッラー*を崇拝*するための最初の館がそこに建設されたからという説など、諸説ある(アッ=タバリー4:3262参照)。また「その周辺にいる者」とは、全ての土地の民のこと(ムヤッサル139頁参照)。
一体、アッラー*に対して嘘を捏造したり、自分には何も下っていないのに「私に啓示が下った」と言ったり、あるいは「アッラー*が下したようなものを、下してやろう」などと言った者よりも、ひどい不正*を働く者があろうか?(使徒*よ、)もしあなたが、不正*者たちが死の苦悶の中にあり、天使*たち¹が彼らに手を伸ばす時のことを見るのならば!(天使*たちは、言う。)「あなた方の魂を、出せ²。この日あなた方は、自分たちがアッラー*に対して真実ではないことを語っていたことと、かれの御徴に対して奢り高ぶっていたことゆえに、屈辱の懲罰で報われるのだ」。
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1 人の魂を抜き取る役目を負う、死の天使*たちのこと(前掲書、同頁参照)。 2 死の天使*たちは不信仰者*が死ぬ時、彼に対する懲罰とアッラー*のお怒りを告げる。すると不信仰者*の魂はその体から出ることを拒(こば)むので、天使*はそれを叩いて無理やり引き出すことになる(イブン・カスィール3:302参照)。一方、信仰者の魂は主*との拝謁(はいえつ)を望み、自ら進んで出てくる(アル=クルトゥビー7:42参照)。
(復活の日*、彼らにはこう言われる。)「あなた方は確かに、われら*があなた方を最初に創った時のように、われら*のもとに一人きりでやって来た¹。われら*が(現世で)あなた方に授けた者を、自分たちの背後に置き去りにして。そしてわれら*は(この日、)あなた方が、自分たち(の崇拝*)における(アッラー*の)同位者であると主張していたあなた方の執り成し手¹を、あなた方と共に見出すことはない。あなた方の間(の関係)は既に断絶し、あなた方が主張していたものは、あなた方から消え失せてしまったのだ」。
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1 預言者*は仰(おっしゃ)った。「復活の日*、人々は靴も衣服も纏(まと)わず、割礼もされていない状態で召集される」(アル=ブハーリー6527参照)。また、洞窟章48と預言者*たち章104も参照。 2 彼らがそれらを執り成し手と見なしていたことについては、集団章3とその訳注を参照。
本当にアッラー*は、種粒と種子¹を裂かれ(、芽吹かせ)るお方。かれは死から生を取り出され、生から死を取り出されるお方²。そのお方がアッラー*。では、一体どうして、あなた方は(真理から)背かされるのか?
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1 「種粒(ハッブ)は麦類のような、種そのもののこと。「種子(ナワー)」は桃やナツメヤシなどのように、果実に包まれた種のこと(アッ=ラーズィー5:71参照)。 2 「死から生を取り出され・・・」については、イムラーン家章27の訳注を参照。
(かれは夜の闇から)暁を裂き出されるお方。また、かれは夜を安住の場とされ、太陽と月(の運行)を計算¹とされた。それは偉力ならびなき*お方、全知者のお定めである。
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1 つまり、それらが正解な「計算」に基づいて運行するものとされた(ムヤッサル140頁参照)。そして人はそれらの運行により、時間を知ることが出来る(アッ=サァディー265頁参照)。ユーヌス*章5とその訳注も参照。
またかれは、それによってあなた方が陸と海の闇の中を導かれるべく、あなた方のために星々をお創りになったお方。われら*は知識ある民に対し、確かに御徴¹を詳細にした。
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1 この「御徴」は、アッラー*の御力と偉大さ、英知を示す数々の証拠のこと(アッ=シャウカーニー2:202参照)。
またかれは、あなた方を一人の者(アーダム*)からお創りになったお方。それで(あなた方には、)定住地と収容地¹がある。われら*は理解ある民に対し、確かに御徴²を明らかにした。
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1 「定住地と収容地」の解釈には、前者と後者がそれぞれ「子宮と墓場」「子宮と男性の後背部(男性の精液が生成・収容される場所の意)」「子宮と地上」「現世と来世」「墓場と現世」「墓場と来世」というように大きな見解の相違が見られる(アル=バガウィー2:146-147参照)。 2 この「御徴」については、アーヤ*97の訳注を参照。
またかれは、天から(雨)水を降らしになったお方。そしてわれら*は、それであらゆる植物を芽吹かせ、そこから(瑞々しい)緑を生じさせた。われら*はそこから、連なり重なる種粒を実らせる。またナツメヤシの木、その莢¹からは(われら*の意思によって)、低く垂れ下がる房がなる。そして葡萄の果樹園、また(、一面では)似ているが、(別の面では)異なる²オリーブとザクロも(生じさせた)。それが実をつけ熟した時に、その果実を見てみるがよい。実にその中にはまさしく、信仰する民への御徴⁴があるのだから。
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1 これはナツメヤシの実がなる房が出てくる、莢状のもののこと(イブン・アーシュール7:328参照)。 2 この意味の解釈には、「葉は似ているが、実は異なる」「見た目は似ているが、味は異なる」といった複数の説がある(アッ=タバリー4:3287参照)。 3 この「御徴」については、アーヤ*97の訳注を参照。
彼ら(シルク*の徒)はアッラー*に対し、ジン*を(アッラー*の崇拝*における)同位者とし(て崇め)た。かれ(アッラー*)が、彼ら(ジン*)をお創りになったというのに。また彼ら(シルク*の徒)は知識もなく、かれに息子や娘をでっち上げた¹。かれに称え*あれ、かれは彼らの言うようなこと(シルク*を犯しているもの)から(無縁で)、遥か高遠²であられる。
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1 キリスト教徒*のイーサー*やユダヤ教徒*のウザイル(悔悟章30参照)のように、アッラー*には息子があるとか、あるいは当時のアラブ人のように、天使*がアッラー*の娘である(蜜蜂章57とその訳注も参照)というようなことを、根拠もなく語っていたことを指す(イブン・ジュザイ1:281参照)。 2 雌牛章116の訳注も参照。
(かれは)諸天と大地の独創者*。かれには伴侶もないのに、どうしてかれに子供などあり得ようか?そしてかれが全てをお創りになり、かれは全てのことをご存知のお方だというのに?
そのお方がアッラー*、あなた方の主*、かれ以外に(真に)崇拝*すべきものはない。(かれは)全ての創造主である。ならば、かれを崇拝*せよ。かれは、全てのことを請け負われる*お方であられる。
視覚が(現世で)かれ(アッラー*)を捉えることはない¹。かれが視覚を捉え給うのであり、かれは霊妙な*お方、通暁されるお方なのだ。
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1 復活の日*、信仰者はアッラー*との拝謁(はいえつ)の際、かれの全体像を捉えることは出来なくても、かれを拝見する栄誉に与(あず)かることが出来るとされる(アル=ブハーリー7434参照)。
(使徒*よ、言うがよい。)「あなた方の主*の御許からあなた方のもとに、開眼¹が確かに到来した。(それに)開眼する者は誰でも、自分自身を益し、(そこにおいて)盲目である者²は誰でも、自分自身を害するのだ。そして私は、あなた方の監視役³などではない」。
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1 この「開眼」とは、それによって迷いから導きを見極(みきわ)めることの出来る明証、つまりクルアーン*のこと(ムヤッサル141頁参照)。 2 「盲目である者」に関しては、アーヤ*50「盲人」の訳注を参照。 3 「監視役」については、婦人章80の訳注を参照。
同様に、われら*は御徴¹を多彩に示すのだ。そして(その結果、)彼ら(シルク*の徒)は、「あなたは学習したのだ」²と言ったのだが、(それは)われら*が、それを知識ある民に明らかにするためなのだ。
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1 この「御徴」とは、アッラーの唯一性*、ムハンマド*の預言者*性、復活などの証拠(ムヤッサル141頁参照)。 2 マッカ*の不信仰者*らは、預言者*ムハンマド*がクルアーン*を、異国人や啓典の民*から教わったものである、と主張したりもした(アル=バガウィー2:149参照)。蜜蜂章103、識別章4-5、煙霧章14も参照。
(使徒*よ、)あなたの主*からあなたに啓示されたものに、従えーーかれの外に、崇拝*すべきものはないーー。そして、シルク*の徒から遠ざかれ。
また、もしアッラー*がお望みであったなら、彼らはシルク*を犯さなかったのだ¹。そしてわれら*は、(使徒*よ、)あなたを彼らに対する監視役²としたのではないし、あなたは彼らへの(諸事の面倒を見るための)代理人というわけでもない。
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1 これはシルク*の徒が信仰を望んでいるのに、アッラー*がそれを阻(はば)まれるということではない。アッラー*は、信仰への意思も示さず、不信仰にしがみついている者の信仰を望まれないのである(アブー・アッ=スウード3:171参照)。集団章7も参照。 2 「監視役」については、婦人章80の訳注を参照。
(ムスリム*たちよ、)あなた方は、彼らがアッラー*を差しおいて祈っているものを、罵ったりしてはならない。そうすれば彼らは度を越して、知識もないままに、アッラー*のことを罵ってしまうだろう。同様にわれら*は、各共同体にその行いを目映く見せたのだ。その後、彼らの主*の御許こそは、彼らの戻る場所なのであり、かれは彼らが行っていたことについて、彼らにお告げになるのである。
彼らは、もしも御徴¹が自分たちに到来したら(使徒*のことを)必ず信じる、と躍起になってアッラー*にかけて誓った。(使徒*よ、)言ってやるがいい。「御徴」は、アッラー*の御許(から)だけである」。そしてそれが到来しても、彼らが信じない(かもしれない)ということを、何があなた方に知らせようか?
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1 この「御徴」とは、奇跡のこと。雌牛章108、ユーヌス*章97、夜の旅章90-93、ター・ハー章133、預言者*たち章6、識別章7-8、創成者*章42も参照。
彼らがそれを当初から信じなかったように、われらは彼らの心と眼を(アッラー*の御徴の理解から)転回させる¹。そしてわれら*は、彼らが彷徨うまま、彼らを(アッラー*への反抗という)ひどい放埓さの中に放ったらかしにしておくのだ。
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1 つまり、信仰から阻(はば)まれるということ。これは目の前に扉が開かれ、道を示されたにも関わらず、当初から信仰を拒(こば)み続けた不振後者*の状態。そしてそのような結果を招いたのは、自分自身なのである(アッ=サァディー269参照)。
たとえ、われら*が彼ら(シルク*の徒)に天使*を降臨させ、(われら*が蘇らせた)死人が彼らに語りかけ、彼らの眼前に(彼らが求める)全てを集結させたところで、アッラー*がお望みにならない限り、彼らが信仰すべくもない。しかし彼らの大半は、無知なのである。
同様に、われら*は全ての預言者*に、人間とジン*のシャイターン*という敵を創った。彼らは(アッラー*の道に反して)欺こうとし、飾り立てた(嘘の)言葉で互いに唆し合う。そして、もしあなたの主*がお望みだったなら、彼らはそうしなかっただろう(、しかしそれは、アッラー*からの試練なのだ)。ならば彼らを、彼らの捏造するもの諸共、放っておくのだ。
また、来世を信じない者たちの心がそこ(嘘の言葉)へと傾き、それに満足し、彼らが犯すもの¹を犯すようになるため(、彼らは唆し合う)。
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1 「彼らが犯すもの」とは、悪行の子と(ムヤッサル142頁参照)。
(使徒*よ、シルク*の徒に言ってやるがいい。)「一体、私がアッラー*以外のものを裁決者として望むというのか?¹かれはあなた方に、明らかにされた啓典をお下しになったお方なのに?」われら*が啓典を授けた者たち(啓典の民*)は、それ(クルアーン*)があなたの主*から真理と共に下されたものであることを知っている。ならばあなた²は決して、疑わしく思う者たちの類いとなってはならない。
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1 一説によれば、マッカ*の不信仰者*は預言者*ムハンマド*に、「私たちとあなたの間に、裁決者を置こうではないか。望むならユダヤ教徒*の学者からでも、あるいはキリスト教徒*の学者からでも。彼らの啓典の中であなたについて何が書かれているのか、述べてもらおう。」と言ったものだった(イブン・アル=ジャウズィー3:110参照)。 2 この「あなた」については、雌牛章120の訳注を参照。
あなたの主*の、真実で公正な御言葉(クルアーン*)は、完遂された¹。かれの御言葉には、いかなる変更者もいない。かれはよくお聴きになるお方、全知者であられる。
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1 クルアーン*に含まれる言葉と情報は真実で、その法規定は公正である(ムヤッサル142頁参照)。
そして(使徒*よ)、もしあなたが地上の大半の者¹に従えば、彼らはあなたをアッラー*の道から迷わせてしまうだろう。彼らは(誤った)憶測に従っているに外ならない。彼らは決めつけているだけなのだ。
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1 当時、人類の大半は不信仰の中にあった(アッ=タバリー4:3318参照)。
本当にあなたの主*こそは、かれの道から迷う者を、最もよくご存知である。またかれは、導かれる者たちのことも、最もよくご存知なのだ。
ならば、あなた方は、アッラー*の御名がその上に唱えられたものの内から食べよ¹。もしあなた方が、かれの御徴²を信じているのならば(、だが)。
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1 つまり信仰者は、アッラー*の御名が唱えられることなく屠殺(とさつ)された肉を、食べてはならないということ。アッラー*以外のものに捧げられた肉を合法化していた(イブン・カスィール3:323参照)。 2この「御徴」は、アッラー*の法規定とご命令のこと(アル=クルトゥビー7:72参照)。
そして、アッラー*の御名がその上に唱えられたものの内から食べないとは、どういうことか?かれはあなた方に禁じたものを確かに、あなた方に詳しく説明されたというのに。しかし、あなた方がその必要に迫られたもの¹は別である。本当に多く(の誤った者たち)は知識もなく、その私欲によって(合法・非合法な物事において)正に迷わせるのだ。本当に(使徒*よ、)あなたの主*こそは、度を超す者たちを最もよくご存知である。
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1 雌牛章173と、その訳注も参照。
露わな罪も、密やかな罪も放棄するのだ。実に罪を稼ぐ者たちは、自分たちが犯していたことゆえに、やがて報いを受けることになるのだから。
また(ムスリム*たちよ)、アッラー*の御名がその上に唱えられていないものの内から、食べるのではない。本当にそれは、まさしく放逸さ¹である。本当にシャイターン*(のジン*たち)は、あなた方と言い争うよう、自分たちの盟友(であるシャイターン*の人間たち)を、まさに唆すのだ²。そして、もし彼らに従ったら、本当にあなた方は正しくシルク*の徒*である³。
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1 アッラー*の服従からの逸脱(いつだつ)ゆえの、「放逸さ」ということ(ムヤッサル143頁参照)。 2 このアーヤ*は一説に、アッラー*の御名が唱えられてはいない死肉が禁じられたことに関し、不信後者*らが「ムハンマド*よ、あなた方は自分で屠(ほふ)ったものは食べるくせに、あなた方の主*が息の根を止められたもの(自然死したもの)は禁じるというのか!?」と言ったことに関し、下ったと言われる(アブー・ダーウード2818参照)。 3 かれの御名が唱えられずに屠られた家畜の肉に限らず、アッラー*の禁じられたものを合法視したり、かれの命じられたことを勝手に禁じたりすることは、シルク*の一形態である(アッ=タバリー4:3330参照)。
一体、(かつては)死人だったが、われら*が生命を与え、人々の間をそれによって歩く光を授けた者は、脱出することの出来ない闇の中にある者¹と同等だろうか?同様に不振後者*たちには、彼らが行っていたことが煌びやかに映ったのである²。
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1 前者は、一時は迷いの中で混乱した、死人に等しい状態にあったものの、その後、信仰心によって心が生き返り、導かれ、使徒*たちへの服従という恩恵を授かり、導きという光の中に生きる者。一方後者は、様々な無知と私欲の迷いの中にあり、そこから脱出する手段がない者のこと(ムヤッサル143
頁参照)。 2 食べ物について、議論してきた不信仰者*たちに、彼らへの痛ましい懲罰が原因となる、自分たちの悪い行いが煌びやかに映ったのと同様、彼らと同様の不信仰の状態にある者たちにもまた、懲罰の原因となる罪が煌びやかに映るのだ、ということ(アッ=タバリー4:3333参照)。
また(マッカ*の不信仰者*たちと)同様に、われらはいかなる町においても、その罪悪者たちを(町の)有力者とした。(それは)彼らがそこで、策謀するためである。そして彼らが策謀しているのは、自分自身に対してに外ならない¹。彼らはそれに気付いていないのだが。
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1 というのも彼らは、アッラー*の宗教とその使徒*を阻止しようとして策謀するが、結局のところその罪は自分自身に返ってくるからである(前掲書、同頁参照)。
また、御徴¹が彼らのもとに到来した時、彼らは言った。「私たちは、アッラー*の使徒*たちが授けられたものと同様のもの²を授けられるまで、(ムハンマド*を)決して信じない」。アッラー*が、そのお言伝を託す(に相応しい)場所を最もよくご存知である。やがて罪深い者たちには、彼らが策謀していたことゆえに、アッラー*の御徴での惨めさと、厳しい懲罰が降りかかるであろう。
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1 この「御徴」については、アーヤ*37の訳注を参照。 2 つまり、預言者*性と奇跡のこと(ムヤッサル143頁参照)。金の装飾章31-32も参照。
アッラー*が誰かを導くことをお望みになれば、かれはその者の胸を服従(イスラーム*)へと広げて下さる。また、かれが誰かを迷わせることをお望みになれば、かれはその者の胸をひどく狭められる。それは、あたかも(上)空に何とか昇ろうとする¹ようなもの。同様にアッラー*は、信仰しない者たちに穢れ²をお与えになるのだ。
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1 イスラーム*を否定する者の心の狭窄(きょうさく)が、空高く昇ろうとして、呼吸困難に陥(おちい)る状態にたとえられている(ムヤッサル144頁参照)。 2 この「穢れ」とは、懲罰のこと(前掲書、同頁参照)。
(使徒*よ、)これがあなたの主*の、まっすぐな道。われら*は確かに教訓を得る民に対し、御徴を詳細にしたのだ。
彼らにはその主*の御許に、平安の郷¹がある。かれは彼らが行っていた(正しい)ことゆえの、彼らの庇護者*なのだ。
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1 「平安の郷」とは天国のこととされる(前掲書、同頁参照)。
かれが彼ら全員を召集され(、こう仰せられ)る日のこと(を思い起こさせよ)。「ジン*の衆(のシャイターン*たち)よ、本当にあなた方は人間を、随分と集めたものだな¹」。そして(不信仰な)人間の内の、彼らの盟友は言う。「我らが主*よ、私たちは互いに楽しみ合っていました²。そして私たちは、あなたが私たちに定められた時期³まで到達してしまったのです」。かれは仰せられる。「(地獄の)業火があなた方の、住まいである。あなた方はそこに永遠に留まるのだ」。但し、アッラー*がお望みになった者⁴は別であるが。本当にあなたの主*は英知あふれる*お方、全知者であられるのだから。
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1 シャイターン*が人間たちを迷わせ、地獄へと道連れとしたことを指す(アッ=タバリー4:3343参照)。 2 ジン*といえば、人間が自分たちに服従することを楽しみ、人間はといえば、姦通(かんつう)や飲酒などのジン*の誘惑を受け入れることで、楽しんでいた(アル=クルトゥビー7:84参照)。 3 「私たちに定められた時期」とは、現世で彼らの人生の終わりのこと(ムヤッサル144頁参照)。 4 これは、罪深いムスリム*のこと。彼らは地獄に入っても、そこに永遠に留まることはない(前掲書、同頁参照)。フード*章107とその訳注も参照。
そのようにわれら*は不正*者たちを、彼らが稼いでいたものゆえに、互いの盟友とさせる。
(アッラー*は復活の日*、仰せられる。)「(シルク*の徒であった)ジン*と人間の衆よ、一体あなた方のもとに、われの御徴をあなた方に語って聞かせ、あなた方のこの日の面会についてあなた方に警告を放つ、あなた方(人間)自身の内から使徒*たちはやって来なかったのか?」彼らは申し上げる。「私たちは、自分自身に対して(不利に)証言¹します」。現世の生活が、彼らを欺いたのである。そして彼らは自分たちが不信仰者*であったことを、自分自身に対して証言するのだ。
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1 使徒*たちがアッラー*の御徴を伝え、復活の日*について警告したが、彼らはそれを嘘としたという証言のこと(前掲書、同頁参照)。
それ¹はあなたの主が、その住民が無頓着な状態²にある時、町々を不正³ゆえに滅ぼされたりはしないからである。
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1 「それ」とは、アッラー*がジン*と人間に使徒*を遣わされ、啓典を下されたことで、彼らが後に自分たちの不信仰を言い訳できないようにされたこと(ムヤッサル145頁参照)。 2 「無頓着な状態」とは、イスラーム*の教えが伝わっていない状態のこと(イブン・カスィール3:341参照)。関連するアーヤ*として、婦人章165、家畜章155-157、夜の旅章15、ター・ハー章134、詩人たち章208、創成者*章24も参照。 3 この「不正*」とは、シルク*を始めとする全ての罪のこととされる。尚、「あなたの主*が不当にも、その住民が無頓着な状態にある時、町々を滅ぼされないことがないためである」という解釈の仕方もある(前掲書、同頁参照)。
また各人には、(アッラー*への服従行為であろうと、かれへの反抗であろうと、)自分が行ったことゆえの位があるのだ。そしてあなたの主*は、彼らが行うことに迂闊ではあられない。
そして(使徒*よ)、あなたの主*は満ち足りておられる*お方、慈悲の主であられる。もしかれがお望みになれば、(不従順な)あなた方を消し去り、ちょうどあなた方を別の民の子孫から出現させられたように、あなた方の後にかれがお望みになるもの¹を引き継がせられるのだ。
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1 つまり、彼らよりもアッラー*に従順(じゅうじゅん)で善い民のこと(アル=バガウィー2:161参照)。
(シルク*の徒よ、)実にあなた方に約束されていることは、必ずや到来することになっている。そしてあなた方は、(アッラー*の懲罰を)やり過ごすことが出来る者ではない。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「我が民よ、あなた方は自分たちのやり方で行うがよい。実に私も、(自分のやり方で)行おう。そうすれば、いずれあなた方は、誰に世の(善き)結末¹があるかを知ることになろうから。本当に、不正*者たちが成功することはないのだ」。
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1 「世の(善き)結末」とは、現世と来世における善い結末のこと(アッ=サァディー274頁参照)。
彼ら(シルク*の徒)はアッラー*に、かれが繁茂させ給うた作物と家畜の内から割り当て分を決め、自分たちの主張するところにより、(こう)言った。「これはアッラー*の分。そしてこれは、私たち(がアッラー*)の同位者(とするもの)たちの分」。そして彼らの同位者たちの分だったものは、アッラー*に届くことがなく、アッラー*の分だったものは、彼らの同位者たちに届くのだ¹。彼らの決めることの、何と忌まわしいことか。
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1 具体的には、偶像の分の作物や果物などがアッラー*の分の中に落ちてしまった場合、それをもとに戻したが、逆の場合はそうしなかった。また偶像のための給水が(不慮に)アッラー*の分の所へ行ってしまった場合、それを偶像の分の方に戻したが、逆の場合はそうしなかった。また、それがアッラー*のためと思い込みつつ、家畜の一部を偶像のために捧げていた(アッ=タバリー4:3351参照)。食卓章103も参照。
同様に、彼ら(がアッラー*)の同位者(としたもの、つまりシャイターン*)たちは、シルク*の徒の多くに対し、自分たちの子供を殺すことを魅惑的に見せた¹。(それは)彼らを(破滅に)転落させ、彼らに自分たちの宗教を紛らわしく見せ(て迷わせ)るためであった。そして、もしアッラー*がお望みであったなら、彼らはそのようなことをしなかったのだ²。ならば彼らを、彼らが捏造したもの諸共、放っておけ。
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1 ジャーヒリーヤ*のアラブ人の一部では、貧困に対する恐れなどから、子供を殺す悪習があった。また女児に関しては、貧困だけでなく戦争で捕虜(ほりょ)となった場合の辱(はずかし)めなどを受けることを恐れて、殺害してしまうこともあったとされる(アル=アルースィー8:32参照)。 2 同様の言い回しのある、アーヤ*107とその訳注も参照。
彼ら(シルク*の徒)は自分たちの主張するところにより、かれ(アッラー*)に対し(嘘を)捏造しつつ、(こう)言った。「これらは、私たちが望む者しか食することが出来ない、禁じられた家畜と作物¹である。また(これらは)、背中が禁じられている家畜²。そして(これらは)彼らが、その上にアッラー*の御名を唱えない家畜³」。かれはやがて、彼らが捏造していたことゆえに、彼らに応報を与えられるであろう。
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1 つまり、彼らが偶像に捧げたもののこと(アル=クルトゥビー7:94参照)。 2 「背中が禁じられている家畜」とは、乗用や荷役などに利用しない家畜(ムヤッサル146頁参照)。 3 アッラー*の御名ではなく、偶像の名によって屠(ほふ)られる家畜のこと。一説には、それに乗ってハッジ*をしない家畜(アル=バガウィー2:163参照)。
また、彼らは言った。「これらの家畜の腹の中にあるもの¹は、私たちの内の男性だけのものであり、私たちの妻たちには禁じられる。そしてそれが(生まれた時)死んでいた場合、彼ら(男女)はそれ(の利用)における共同者となる」。かれ(アッラー*)はやがてその言葉ゆえ、彼らに応報を与えられよう。本当にかれは、英知あふれる*お方、全知者なのだから。
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1 これは、アーヤ*138で言及されている家畜が孕(はら)んだ子供のこと。生まれたその子供の肉は男性だけに許されるが、死産であれば、男女ともにそれを食することが出来る、と主張した(イブン・アーシュール110頁参照)。
愚かにも、知識もなく自分たちの子供を殺し、アッラー*に対する捏造ゆえに、かれが自分たちのお恵みになったものを(勝手に)禁じた者たちは、確かに損失したのである。彼らは確かに(真理から)迷い去ったのであり、導かれた者の仲間ではなかったのだ。¹
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1 何かが合法か非合法かということを決定する権威は、アッラー*のみに属する。かれ以外のいかなる者も、そのような法規定を勝手に定めることは出来ない(ムヤッサル146頁参照)。アーヤ*121の訳注も参照。
かれは、高くあげられた果樹園¹と、高くあげられてはいないもの、異なる味のナツメヤシと作物、(一面では)似ているが、(別の面では)異なっている²オリーブとザクロを創られたお方。それが実ったらその果実から食べ、収穫日にはその義務³を支払うのだ。そして度を超すのではない⁴。本当にかれは、度を超す者たちをお好きにはならないのだから。
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1 「高くあげられた果樹園」とは葡萄のように、棚などの上部に生育する果実類のそれを指すと言われる(アッ=タバリー4:3363-3364参照)。 2 「(一面では)似ているが・・・」については、アーヤ*99の訳注を参照。 3 イブン・カスィール*によれば、これは義務の浄財(じょうざい)*のこと。ただし義務の浄財*の詳細、重量、数量が定められたのは、ヒジュラ歴*2年のことである(3:349参照)。 4 浄財*や食事、その他あらゆる物事において、度を越してはならない(ムヤッサル146頁参照)。
また(かれは)、運搬用の家畜と、小型の家畜も(お創りになった)。アッラー*があなた方にお授け下さったものから食べ、そしてシャイターン*の歩みに従ってはならない。本当に彼はあなた方にとって、紛れもない敵なのだから。
八頭の雌雄を(お創りになった)。羊のつがいと、ヤギのつがい。(使徒*よ、)言うのだ。「一体、かれが両方の雄、または両方の雌、あるいは両方の雌のお腹にあるものを禁じられたというのか?¹(あなた方の主張を裏づける)知識によって、私に告げてみよ。もし、あなた方が本当のことを言っているのならば(、だが)」。
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1 シルク*の徒は、これらの家畜の一部を非合法としたり、あるいは一部の者にとって非合法なものとした。しかしそれらの家畜は雄も雌も、まだ雌雄の判別のつかない胎児も、全て合法なのである(アッ=サアディー277頁参照)。
また、ラクダのつがいと、牛のつがい。(使徒*よ、)言うのだ。「一体かれが両方の雄、または両方の雌、あるいは両方の雌のお腹にあるものを禁じられたと言うのか?いや、一体あなた方は、アッラー*がこのことをあなた方に命じられた時、(その場に)立ち会わせていたとでもいうのか?ならば、知識もなく人々を迷わせようとして、アッラー*に対して嘘を捏造する者ほど、ひどい不正*を働く者があろうか?本当にアッラー*は、不正*者である民をお導きにはならない」。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「私に啓示されたものの中では、死肉、流れ出る血液¹、豚肉ーー実にそれは穢れであるからーー、アッラー*以外の名において屠られた²放逸なもの³以外、それ(らの家畜)を食する者にとって非合法なものは、見いだせない⁴。やむを得ない状態にある者は、法を超えず度を越さない限りにおいて⁵(それを口にしても罪はない、なぜなら)本当にあなたの主*は赦し深いお方、慈愛深い*お方なのだから」。
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1 「死肉」と「血液」に関しては、雌牛章173の訳注を参照。 2 雌牛章173の訳注も参照。 3 アーヤ*121「放逸さ」の訳注も参照。 4 一説に、「このアーヤ*が下った時点では、見出せない」という意味。このアーヤ*で言及されている以外にも、猛獣・猛禽(もうきん)類の肉など、イスラーム*法で禁じられている食物は存在する(アッ=サァディー277頁参照)。 5 「法を超えず、度を越さない限りにおいて」については、雌牛章173の訳注を参照。
われら*はユダヤ教徒*である者たちに対し、爪を有する全てのもの¹を禁じた。また牛と羊の内でも、背中と腸が蓄えたものか、あるいは骨に密着したものを除き、その脂肪を彼らに(禁じた)。それは彼らの侵害²ゆえに、われら*が彼らに報いたもの。本当にわれら*こそは、真実を語る者である。
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1 この解釈には、「ラクダ」「ラクダとダチョウ」「捕食のための爪を持った動物・鳥類」といった諸説がある(アッ=ラーズィー5:171参照)。 2 彼らのこの具体的な侵害については、婦人章160-161を参照(イブン・カスィール3:355参照)。また、蜜蜂章90の訳注も参照。
そして(使徒*よ、)彼らがあなたを嘘つき呼ばわりしたならば、(こう)言ってやれ。「あなた方の主*は、広大なご慈悲の主。そしてかれの猛威¹は、罪悪者である民から遮られることはない。
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1 「猛威」とは、懲罰のこと(ムヤッサル148頁参照)。
シルク*を犯していた者たちは言うであろう。「アッラー*がお望みならば、私たちも私たちのご先祖様たちもシルク*など犯さなかったし、何も(勝手に)禁じたりはしなかったであろう¹」。同様に彼ら以前の(不信仰)者*たちも、われら*の猛威²を味わうまで、(使徒*たちを)嘘つき呼ばわりし(続け)たのだ。(使徒*よ、)言ってやるがいい。「あなた方には少しでも(正しい)知識があって、それであなた方はそれを私たちに持ってこれるのか?あなた方は憶測しているに過ぎず、あなた方は決めつけているだけなのである」。
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1 彼らの言い分はこうである:「アッラー*は、自分たちがシルク*を犯し、合法なものを非合法とするのをご覧になっていたが、それを正すことがお出来であったにも関わらず、そうされなかった。つまりアッラー*はそれらの物事をお望みになったのであり、それに満足されていたのである」。しかし、もし彼らの言い訳が正しければ、アッラー*は彼らと同じことを言っていた過去の不信仰者*を滅ぼされもしなかったし、彼らに対して、使徒*を遣わされることもなかったのだ(イブン・カスィール3:357-358参照)。 2 「猛威」については、アーヤ*147の訳注を参照。
(使徒*よ、)言ってやるのだ。「ならばアッラー*にこそ、決定的な証拠がある。そして、もしかれがお望みならば、あなた方全員を導かれたことであろう」。
(使徒*よ、)言うがよい。「アッラー*がこれ¹を禁じ給うた、ということを証言する、あなた方の証人たちを連れて来るのだ。そしてもし彼らが証言しても、あなた²は彼らと共に証言してはならない。またあなたは、われら*の御徴を嘘呼ばわりする者や、来世を信じず、自分たちの主*に対して(かれ以外のものを)並べている³者たちの私欲に従ってはならない」。
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1 この「これ」は、彼らが勝手に禁じたある種の家畜のこと(ムヤッサル148頁参照)。 2 この「あなた」については、雌牛章120の訳注を参照。以下、同様の表現についても同訳注を参照。 3 アーヤ*1の、同様の表現についての訳注を参照。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「来なさい。私はあなた方の主*が、あなた方に禁じられたことを誦んで聞かせよう。あなた方は、(アッラー*の崇拝*において、)いかなるものもかれに並べてはならない。そして自分の両親に孝行を(せよ)。また貧困ゆえに、あなた方の子供たちを殺してはならない¹。われら*が、あなた方と彼らを養うのだから。また醜行²には、その内の露なものにも、秘められたものにも、近づくな。そして権利³がない限り、アッラー*が(その殺害を)禁じられた者を殺してはならない。それはあなた方が分別するようにと、かれがあなた方に命じられたことなのである。
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1 アーヤ*137とその訳注も参照。 2 「醜行」については、蜜蜂章90の訳注を参照。 3 この「権利」とは、姦通罪(婦人章15、御光章2とその訳注を参照)、故意の殺人に対するキサース刑(雌牛章178の訳注を参照)、イスラーム*からの棄教(ききょう)罪が確定すること(ムヤッサル148頁参照)。
また、孤児の財産には、それが最善の形¹出ない限り、彼が成熟²するまで近づいてはならない。そして升と秤³を、公正に全うするのだ。--われら*は誰にも、その能力以上のものを負わせない⁴--。また、あなた方が話す際には、公正を貫くのだ⁵。たとえ、それが近親の者(の利)に反することであっても。そして、アッラー*との契約⁶をこそ全うせよ。それはあなた方が教訓を得るようにと、かれがあなた方にご命じになったことなのである。
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1 その財産を、彼の福利のために用いること(前掲書149頁参照)。 2 ここでの「成熟」とは、分別を備えた状態でありつつ、成人*すること(前掲書、同頁参照)。 3 「升」という訳をあてた語「カイル」も、「秤」という訳をあてた「ワズン」も、いずれも計量そのもの、あるいはそれに用いる器具のこと。但し前者が容積によるものであるのに対し、後者は重量によるものである(クウェイト法学大全35:177)。 4 公正さと正確さの追求に努力すれば、そこに多少の誤差が生じても問題はない。あるいは、やせ我慢をしてまで自分の権利を譲歩したり、他人に多めに与えたりする必要もない(ムヤッサル149頁参照)。 5 情報の伝達、証言、判決、執り成しにおいて、公正を貫くこと(ムヤッサル149頁参照)。 6 「アッラー*との契約」については、雌牛章27の訳注を参照。
そしてこれこそが、まっすぐなるわが道(イスラーム*)だということを(、私は誦んで聞かせる)。ならば、それに従うのだ。そして(それ以外の)道に従って、あなた方をかれ(アッラー*)の道から分裂させてしまってはならない¹。それはあなた方が敬虔*になるようにと、かれがあなた方に命じられたことなのである」。
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1 ある時、預言者*は(地面に)一本の線を引き、こう仰(おっしゃ)った。「これがアッラー*の道である」。それからその左右に複数の線を引き、こう仰った。「これが分裂した道である。その各々には、そこへと招くシャイターン*がいるのだ」。それから、このアーヤ*をお読みになったという(アフマド4142参照)。
それからわれら*は、善を尽くした者への(恩恵の)完遂、(宗教上の)全ての物事の解明、導き、慈悲として、ムーサー*に啓典(トーラー*)を下した。彼らがその主*との拝謁を信じるようにと。
そしてこれ(クルアーン*)はわれら*が下した、祝福にあふれた啓典である。ならば、あなた方が慈しまれるよう、それに従い、(アッラー*を)畏れる*のだ。
(クルアーン*を下したのは、)あなた方(アラブ人の不信仰者*たち)が、「啓典は私たち以前の二集団¹にこそ下されたのであり、本当に私たちは、彼ら(の啓典)を学ぶことにまさしく無頓着な者たちだったのだ」と言わないようにするためである。
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1 ユダヤ教徒*とキリスト教徒*のこと(ムヤッサル149頁参照)。
あるいは、「もし私たちに啓典が下っていたら、私たちは彼らよりも導かれていたのに」などと(、言わないようにするため)。あなた方の主*からの明証と導きとご慈悲は、確かにあなた方のもとにやって来たのだぞ。ならば、アッラー*の御徴を嘘呼ばわりし、それに背いた者よりもひどい不正*を働く者があろうか?われら*はやがて、われら*の御徴に背く者たちを、彼らが背いていたことゆえに、忌まわしい懲罰によって報いてやろう。
一体彼らは、天使*たちが自分たちのもとに到来するか、またはあなたの主*が御出でにになるか、あるいはあなたの主*の御徴の一部が到来する¹まで、待っているというのか?あなたの主*の御徴の一部が到来する(復活の)日*、(それ)以前に信仰してはいなかった、あるいはその信仰において善を稼ぐことのなかった者の信仰が、自らを益することはない²。(使徒*よ、)言ってやるのだ。「(その時を)待っているがよい。本当に私たちも、待つ者となるから」。
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1 この「天使*たち」とは、死期が訪れた時に人の魂を召す「死の天使*」のこと。「アッラー*が御出でになる」とは、復活の日*にアッラー*が僕(しもべ)たちをお裁きになるために御出でになること、「主*の御徴の一部の到来」とは、太陽が西から昇るなどの復活の日*の予兆のことである、とされている(前掲書150頁参照)。 2 預言者*ムハンマド*は仰(おっしゃ)った。「太陽が西から昇る時、全ての者は信仰する」(アル=ブハーリー4635参照)。そしてこの時、不信仰者*が信仰しても意味はない。一方、既に信仰者であった者は、その時に正しい行い*を行っても意味がなくなる(ムヤッサル150頁参照)。信仰は、自分自身の選択によって、不可視の世界*を信じることで有効となる。全ての物事が明らかになった時、無理強いされたに等しい状態で信仰しても、意味はない(アッ=サァディー281頁参照)。婦人章18、ユーヌス*章90-91、99、詩人たち章4とその訳注、赦し深いお方章84-85も参照。
本当に、自分たちの宗教を分裂させ、分派となった者たち¹、(使徒*よ、)あなたは彼らと全く無縁である。彼らのことは、アッラー*にこそ帰されるのだ。その後、かれは彼らがしていたことについて、彼らにお告げになる。
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1 これは、人々がアッラーの唯一性*と、その教えの実践において団結した後に、その宗教を分裂させる者たちのこと(ムヤッサル150頁参照)。
(復活の日*、)誰であろうと、一つの善行と共に(主*の御許へ)やって来た者、彼には、その十倍(の褒美)がある。そして誰であろうと、一つの悪行と共に(主*の御許へ)やって来た者、彼はそれと同等の報いしか受けない。彼らが不正*を被ることはないのだ。
(使徒*よ、)言うのだ。「本当に我が主*は、私をまっすぐな道(イスラーム*)へとお導きになった。正しい教え、純正¹なイブラーヒーム*の宗教へと。彼はシルク*の徒の類いではなかった」。
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1 「純正」については、雌牛章135の訳注を参照。
言え。「本当に私の礼拝も犠牲も、生も死も、全創造物の主*アッラー*のためのみ。
かれには(その唯一性*において、)いかなる同位者もない。私はそれ¹こそを命じられたのだ。そして私は(我が共同体において)、服従する者(ムスリム*)の先駆けなのである」。
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1 つまり、アッラーの唯一性*信仰の子と(ムヤッサル150頁参照)。
(使徒*よ、)言ってやるがいい。「一体、私がアッラー*以外を(、崇拝*の対象である)主*として欲することなどあろうか?かれは、全てのものの主*であられるというのに。いかなる者も、自分で(その罪を)背負うことなしに、(悪行を)稼ぐことはない。また(罪の)重荷を背負う者は、他の者(が犯した罪)の重荷まで背負うことはない。それから、あなた方の主*の御許にこそ、あなた方の帰り所はあるのだ。そしてかれは、あなた方が(宗教上のことで)意見を異にしていたことについて、あなた方にお告げになる。
かれは、あなた方を地上の継承者¹とされ、かれがあなた方にお授けになったものであなた方を試みられるべく、あなた方の内のある者を別の者よりも高く位置づけられたお方²。本当に(使徒*よ、)あなたの主*は、即座に懲罰を下されるお方。そして、実にかれはまさしく、赦し深いお方、慈愛深い*お方である。
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1 「地上の継承者」とは、アッラー*への服従において地上を開拓すべく、アッラー*が滅ぼされた民の後を継いだ者たちのこと(前掲書、同頁参照)。あるいは、地上の開拓を世代から世代へと受け継いでゆく者たちのこと。(イブン・カスィール3:384参照)。 2 つまり、人々を形質、糧、能力、体力、徳、知識などにおいて、千差万別にされた。それは富める者がその富ゆえに感謝するかどうか、貧しい者がその貧しさに対して忍耐*するかどうかというようにして、人々が褒美(ほうび)、あるいは罰を得るようにするためである(アル=クルトゥビー7:158参照)。金の装飾章32とその訳注も参照。